トレードごとに振り返りを行っているFXトレーダーは多いはずです。しかし、トレードの利益に繋がるような正しい振り返りを行えているでしょうか。トレードを振り返る際には重要な思考のロジックがあると、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏はいいます。本記事では、プロトレーダーのトレードの振り返り方について解説します。
〈稼ぐ人〉はちゃんと過去を振り返る…FXで成功する「プロトレーダーの思考法」 ※画像はイメージです/PIXTA

次に繋がるプロトレーダーの思考法

前述したとおり、FX初心者とプロトレーダーの振り返り方の違いは「事実に基づいた分析ができているかどうか」です。プロトレーダーが安定して利益を出している理由は、過去の事実に基づいた振り返りを土台として相場を分析しているからです。

 

プロトレーダーは100%自分の意志どおりに値動きが進まないことを知っているので、初心者トレーダーのように「タラレバな検証」をすることはありません。プロトレーダーは自分が損失を被ってしまったときのトレードを徹底的に追求する傾向にあります。

 

過去の損失を被ったトレードを分析する際に、トレードをしたときの心理的変化を追求していきます。過去の自分がポジションを取った理由と、その心理的背景や損切りをする際に、トレードルールを遵守できていたかどうかを振り返ります。

 

もちろん、損失額を意識することも大切ですが、損失額を振り返り、損失に一喜一憂しているだけではトレードの技術は上達しません。損失額以上の価値を振り返りから見出していくためには、事実にもとづいて過去の自分を超えていく気づきを得ようとする努力が必要なのです。

 

トレードの振り返りは自分を否定することのほうが多いため、精神的な負担がありますが、この壁を乗り越えることでプロトレーダーのような強いメンタルを獲得することができます。

振り返りは時間を置いてから「第三者目線」で行うのが吉

過去のトレードを振り返ることは、FXで利益を上げていくためには必須の行動です。また、トレードの振り返りはトレード後すぐに行うのではなく、時間を空けたあとに行ったほうが効果的です。時間を置き、第三者目線でトレードを振り返るほうが、より事実に沿った分析が可能です。

 

第三者目線でトレードを振り返られるようになったら、次は事実にもとづいた振り返りを行っていきましょう。FXの世界で、タラレバな思考はまったく意味がありません。自分の損失を肯定し、自己肯定感を高めることには繋がりますが、タラレバな思考がトレード技術の向上につながることはないでしょう。冷静な精神状態でトレードを振り返ることができるのであれば、事実をひとつひとつ追っていくべきです。

 

「なぜ新規の建玉を取ってしまったのか」、「なぜ損切りをする場所を引き伸ばしてしまったのか」などの事実と、その行動を取ってしまったときの感情や原因のすり合わせを行うことでトレードスキルを大きく伸ばすことができるでしょう。

 

これからプロトレーダーを目指していこうという意思があるのであれば、損失を出してしまったときのトレードを事実にもとづいて詳細に振り返るべきでしょう。

 

 

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント

執行役員