「時価総額」が大きい会社なら安心…そう考えるのも早計
ここまでみてきた通り、売り上げ・各種利益・キャッシュの流入が大きく、それでいて資金に余裕のある会社は、間違いなく「大きな会社」といってよいでしょう。当然ながら、そうした会社は株式市場でも高く評価され、時価総額も大きいケースが大半です。
ちなみに時価総額とは「株価×発行済み株式総数」。言い換えれば「会社の価格」であり、大きな会社は価格も高くなりがちです。そのため、少々割高であっても「時価総額の大きな会社の株を買えば安心だ」と考える人もいるでしょうが、実はそれも少し早計です。
というのも、市場の評価というのは必ずしも正確なものではなく、その会社の実体以上に高く評価されていて、本来の姿以上に時価総額が高くなる時期もあるからです。そのような時期に株を買ってしまえば、その後、株価の下落に巻き込まれるリスクが大きいのです。
つまり、時価総額が会社の実体と同等かそれ以下ならば安心ですが、実体よりも時価総額が大きいと思われる場合は、投資は控えるべきだということ。伸びる株を安く買える投資家だけが、利益を得られるのです。
また、その会社が将来にわたって、売り上げ・各種利益・キャッシュの流入を維持できるかどうかも考えたほうがよいでしょう。もし現在がピークで今後は尻すぼみになっていくならば、当然、株価も下落に向かうためです。