強固なビジネスモデルを持ち、財務状態も健全で今後も着実に利益を積み重ねていくであろうと思われる「優良企業」は一定数存在します。その一方で、それらに欠いた「優良でない会社」も多々存在しています。多くの投資家は、前者への投資を検討するでしょうが、後者で利益を出す方法も存在します。本稿では、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が「優良でない会社に投資して儲ける方法」について解説します。
稼ぐ方法は「優良銘柄の長期保有」だけじゃない…“不安定”な株で儲けるための〈2つの方法〉【株式投資のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

保有期間にこだわらず、「柔軟」に売買する

会社としての歴史が浅く業績も安定していない、「優良企業」とは言い切れない会社に投資する場合、いま株価の調子が良かったとしても、1年後、3年後といった未来には大きく下落している可能性があります。業績の波や減配があって株価は乱高下するかもしれません。一方で、たとえ長年上昇を続ける優良銘柄にも下がる局面は必ず訪れます。

 

株価の上下は、1日の間にも、1週間の間にも、1ヵ月の間にも起きています。たとえば株を買った後、株価をとくに気にせずに1週間放置してから確認すると「ずいぶん上がっていた」または「ずいぶん下がっていた」と感じた経験がある投資家は多いのではないでしょうか。

 

ですから、そんな株価の変動を利用すれば、優良でない会社の株で儲けることも可能になります。保有期間にこだわらず、下がったときに買い、上がったときに売るという柔軟な売買をすることで、利益を出せるのです。それを繰り返すことで、より利益を積み重ねていくことも可能になるでしょう。

 

スキャルピングやデイトレード、スイングトレードなどと、売買期間にこだわる必要もありません。長期保有することに旨味がないのならば、「タイミング」だけに注意して売買を行うことが有力な方法となるのです。

「株価が下がる」に賭けて空売りする

また、長期的に考えて「株価が下がる」と思えるならば、「空売り」をするのも1つの方法です。

 

空売りは信用取引の一種で、株を借りてそれを売り、後にそれを買い戻して返却する方法です。借りて売った価格よりも、返却するために買い戻した価格のほうが安ければ、差額分の利益を得られます。下がる確率が高いと判断できるならば、そちらに賭けて空売りをするという手もあるのです。

 

ただし空売りは、リスクの大きい投資手法です。担保としての証拠金が必要であり、追加の証拠金を求められるケースもあります。株を返さない限り、貸株料などの諸経費もかかります。

 

また、株価は下がるときはゼロ以下になることはありませんが、上がるときは理論上際限なく上がります。予想に反して大きく上がってしまった場合、空売りをしている投資家は果てしない損失を被る可能性もある訳です。

 

ですから空売りは、担保に十分な余力があるときや、成功する確率が非常に高いと判断したときにのみ行うようにするのが賢明です。また、前述のように下がったときに買うといった行動を組み合わせるなどして、リスクヘッジしておくことも重要です。