銘柄の分散はリスクヘッジに有効だが…過剰な分散にはデメリットも
とはいえ、多くの銘柄に資金を分散し過ぎることにデメリットがない訳ではありません。
大きく値上がりする銘柄に資金を大きく投入できれば、その分利益も大きくなります。しかし銘柄を分散し過ぎて、値上がりの見込めない銘柄や逆に大きく値下がりする銘柄にも資金を投入してしまえば、結局得られる利益が小さくなる、ということも起こり得るのです。
もし、「この株は上がる」という確信を抱ける銘柄をみつけたのであれば、そこに大きく賭ける、極端にいえばその1銘柄に全財産を投入するのが理想的なのかもしれません。ただ、前述のようにそうした投資を行えば失敗したときの損失も大きく膨らみますので、やはりいくつかの銘柄に分散投資をする必要があるのです。
銘柄の分散とはあくまでリスクヘッジのために行うものであり、分散し過ぎれば、リターンの総額を減らしかねない、ということも忘れてはいけません。よって、銘柄の分散数についてもルールを定めておくのがよいでしょう。
たとえば「11銘柄以上は持たない」など、どこまで分散するのかあらかじめ決めておくのです。
「連れ高」「連れ安」の起こる株式市場…“業種”の分散もまた重要
また、「同一業種の株式をポートフォリオ内の40%以上は持たない」などと、1業種に投入する資金の上限も決めておきましょう。
株式市場では、「連れ高」や「連れ安」という現象が起こります。ある銘柄が上昇した(下落した)際に、同じ業種や関連する銘柄がそれに追随するように上昇(下落)するという現象です。
また長い目でみると、好調な業種や不調な業種、将来性のある業種、将来性に乏しい業種など、業種ごとに栄枯盛衰があるのも、ビジネスや株式の世界の特徴です。
したがって、同じ業種の株式ばかり保有していることにもまた、1銘柄に大きく賭け過ぎるのと同様にリスクを孕んでいます。
リスクヘッジのために、ポートフォリオ内の「業種」も、上手く分散させておく必要があるのです。