あらゆる投資において、「ポートフォリオ」の考え方は不可欠です。株式投資でいえば、「現金をどれだけの割合で保有しておくか」「1銘柄に投資できる上限」「分散投資する際の銘柄数」など、切り口はさまざまです。本稿では、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が株式投資のポートフォリオについて考えるためのポイントについて解説します。
「分散投資」は重要だが、“散らし過ぎ”にはデメリットも…株式投資の〈ポートフォリオ〉を考えるときのポイント【株式投資のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

ポートフォリオのうち、何%を現金のまま残しておくか

株式投資におけるポートフォリオについて考える上で、まず重要なのは現金と株式の比率です。

 

たとえば証券会社に1,000万円を入金した場合、あらかじめ「100万円(10%)は現金で残しておく」「100万円~300万円(10~30%)は現金で残しておく」などと決めて、残りの資金を株式にするのです。

 

株式投資をしていると、市場全体が急落する時期を必ず経験します。そしてその際は、どんな銘柄であろうと株価の下落が避けられません。しかし、現金が値下がりすることはありませんので、あらかじめ「一定割合の現金を持っておく」と決めていれば、株価の下落による損失を一定以下に抑えることができます。

 

また、市場全体が暴落しているときは逆に「絶好の買い場」といえます。

 

あらゆる銘柄が下げているため、株式のバーゲンセールが開催されているような状況です。そのときに現金を持っていれば、“異常に”安い価格で株を買うことができるのです。

 

このように、一定の現金を残しておくことには大きなメリットがありますので、ポートフォリオを組む際は、現金と株式の比率を決めておくべきといえるでしょう。ただし、現金の比率が高過ぎると、株式によって得られる配当や売却益を得るチャンスも少なくなりますから、その点には注意が必要です。

1銘柄への集中投資は禁物

加えて、「1銘柄に投資する金額は全資産のうち30%を超えないようにする」というように、投資資金の配分についてもルールを決めておいたほうがいいでしょう。

 

どんな銘柄にも、値下がりするリスクがあります。どれだけ自信があっても失敗する可能性は必ずあるのです。ですから、1銘柄に大きく賭け過ぎないことが重要です。

 

上手く資金を分散しておくことで、特定の銘柄が暴落したときの損失を一定以内に留めることができます。

 

こうした規律もまた、ポートフォリオを組む際に意識してみましょう。