年金暮らしの老夫婦。長年連れ添った仲とはいってもまだまだお互いに知らない一面があるようで……。本記事では、Aさんの事例とともに、家族のカタチが多様化した現代で増加している問題について、FP1級の川淵ゆかり氏が解説します。
一生に一度のお願いがあるの…年金月26万円の70代老夫婦、50回目の妻の誕生日に告白された「衝撃事実」【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

仲良し老夫婦に起きた妻から衝撃の「一生に一度のお願い」

Aさんは定年退職後、夫婦で年金26万円の二人暮らしをしている73歳と71歳の老夫婦です。子どもは2人いますが、それぞれ家庭を持ち別々に暮らしています。

 

Aさんは現役時代はコンビニの商品企画開発を行う優秀な社員だったことで多忙を極めたことから、退職後は奥さんとゆっくり楽しみながら暮らそうと思っていました。しかし、長年コミュニケーションが不足していた夫婦です。Aさんは会話が続かないことを悩みに感じていました。

 

「現役時代にほったらかしにしていたのが悪かったかな」と、今年は結婚50年ということもあって、妻の誕生日にネックレスのプレゼントとともに「どこか旅行にでも行こうか」と誘ってみるも、あまり乗り気な様子はみせません。

 

それどころか、神妙な面持ちで「あなたに一生に一度のお願いがあるの」と言ってきました。

 

昔から従順でおとなしかった妻は文句もおねだりも言ってきたことがなかったため、Aさんは一瞬身構え、続いて出た予想外の言葉に頭が真っ白になりました。

 

「私専用のお墓が欲しいの」

 

Aさんは父親が亡くなったときに実家の近くに墓を建て、続いて亡くなった母親も一緒に入っています。自分たちが亡くなったあともそのお墓に入ろうと妻には話していたため、寝耳に水の言葉でした。