老後の生活の基盤となる公的年金。しかし、実際に受け取っている年金額は少なく、「生活保護」を利用する高齢者が多いのが実情。しかし「生活保護」に関しては、決して風当たりが良いとはいえません。なぜなのでしょうか。
今日はパチンコに行っちゃおう!「年金月5万円以下」で高齢者困窮も「生活保護費でフィーバーする」一部の高齢者に困惑 (※写真はイメージです/PIXTA)

想像以上にもらっていない⁉ 日本の高齢者の年金事情

日本銀行が定期的に行っている『生活意識に関するアンケート調査』、最新となる第94回<2023年6月調査>によると、「ゆとりが出てきた」が4.1%、「ゆとりがなくなってきた」が56.8%。また物価高について「1年後も上がる(「かなり上がる」と「少し上がる」の合計)」が86.3%でした。

 

物価高への諦め、そしてゆとりのない生活……なんともツライ日本人。なかでも、収入を得る手段が限られる高齢者にとって、物価高への対応は基本的に節約以外になく、ただ耐えるのみという厳しい現状にあります。

 

老後生活の基本となる公的年金ですが、国民年金受給者の平均年金額は月額5万6,479円。厚生年金受給者の平均年金額は、併給となる国民年金と合わせて14万5,665円です。

 

さらに国民年金受給者と厚生年金受給者を合わせて、日本の高齢者がいくら年金を手にしているか、その分布をみていくと、年金月5万円以下が18.1%と、日本の高齢者5~6人に1人という水準。また厚生年金受給者の平均である月14万円以上は10.1%。日本の高齢者10人に1人という水準です。

 

日本の高齢者、私たちが思っている以上に年金をもらっていないようです。

 

【日本の高齢者「年金月受給額」】

2万円未満:0.9%

2万~3万円未満:1.9%

3万~4万円未満:5.7%

4万~5万円未満:9.6%

5万~6万円未満:16.3%

6万~7万円未満:31.1%

7万~8万円未満:5.2%

8万~9万円未満:1.9%

9万~10万円未満:2.3%

10万~11万円未満:2.3%

11万~12万円未満:2.1%

12万~13万円未満:1.9%

13万~14万円未満:1.9%

14万~15万円未満:1.9%

15万~20万円未満:9.9%

20万円以上:5.0%

 

出所:厚生労働省『令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』より算出

 

一方、金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]』で「将来を見据えて備えがない」という人は、全世代で34.5%。60代で28.5%、70代で28.3%。ちなみに「日常的な出し入れ・引き落としに備えているお金もない」という人は4.9%でした。