もし高齢の親が認知症になったら……介護負担は重く、家族全員が総倒れということも考えられます。そうならないためにも「老人ホーム」への入居は有力な選択肢といえるでしょう。その際にひとつ覚えておきたいのは、認知症ならではのトラブルです。みていきましょう。
お前が盗んだんだろ!年金14万円〈認知症〉の80代母「老人ホーム」で繰り広げた大乱闘 (※写真はイメージです/PIXTA)

老人ホームへの入居も選択肢…知っておきたい入居後のトラブル

認知症の家族を在宅介護。介護度が進むと、その負担は計り知れないものになります。介護する側もされる側も共倒れ……そうならないためにも「老人ホーム」への入居もひとつの選択肢です。

 

認知症患者でも入れる老人ホームとして、公的な施設であれば、9人を1グループにした少人数制の施設である「グループホーム(認知症対応型生活介護)」や「特別養護老人ホーム(特養)」。特養は原則要介護度3以上を対象にしていますが、認知症であれば要介護度2以下でも入居可能な場合があります。

 

民間の施設であれば「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」。サ高住は自立~軽度要介護を受け入れ、介護が必要な場合は外部の介護サービスと個別に契約するのが基本。最近は看取りや重度要介護高齢者も対応する施設も増えています。

 

やはり安価な公的な施設は人気で、希望しても入ることができないこともしばしば。その点、価格はあがりますが、入居しやすさの点では民間のほうがスムーズです。厚生労働省によると、厚生年金受給者の平均年金受取額は月14万円ほど。経済的な負担を考えれば、入居者の年金である程度賄える施設への入居を検討したいところです。

 

また認知症患者の場合、施設でのトラブルも色々。特に多いのが金銭トラブルだといいます。たとえば、老人ホームに入居する、認知症を患う80代の母。買い物に行こうと財布を探してみますが、どんなに探しても見当たりません。大声を出して騒ぎ立てます。

 

ーー私のお金はどこにやった!

 

ほかの入居者が盗んだと思い込み、大喧嘩に発展……そんなシーンは、認知症患者のいる施設では珍しいことではないとか。実際に財布を紛失してしまい、大問題に発展ということも。そんなトラブルを避けるためにも、必要以上のお金や貴重品の持ち込み自体を禁止している施設も多いとか。また日々のお小遣いを預けることができる施設もあるので、まずは相談しておくと安心です。