手取り32万円で月7万円の仕送り…破産回避のために大学生の親は
第1子の誕生の平均年齢などから考えると、大学生の親は50代前半から後半。厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、50代前半で平均月収は42.1万円、50代、後半で43.1万円。手取りにすると夫婦と子ども1人の家族で32〜33万円ほどです。そこから学費を払い、月7万円の仕送りをし、残ったお金で日々の生活費、将来を見据えての貯蓄を行う……気が遠くなりそうです。
【年齢別「日本のサラリーマン」の平均月収】
20~24歳:22.3万円
25~29歳:26.3万円
30~34歳:30.2万円
35~39歳:34.2万円
40~44歳:37.1万円
45~49歳:39.6万円
50~54歳:42.2万円
55~59歳:43.1万円
60~64歳:35.9万円
出所:厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』
※数値は雇用期間の定めのない正社員、男性、学歴計の所定内給与額
そしてこの物価高。生活を維持していくためには仕送りを減らし、子ども自身でどうにかやりくりしてもらうしかない……そんな苦渋な選択をするしかありません。
実家を離れ、東京の大学に通う息子のもとにかかってきた、父からの電話。面倒くさいなあと思いつつ出てみると、突然の謝罪。
ーー息子よ、すません。仕送りを減らしていいか?
そんなことを子どもに言わなければならないのは、親として何とも心苦しいことですが、生活破綻を回避するためには、他に方法はありません。今年、至る所で聞かれた賃金アップですが、まだ効果は実感できない人がほとんど。早く効果が現れなければ、親子共倒れの事態になりかねないでしょう。