出世になんて、興味ありません! そんな会社員が増えているといいます。しかし給与を上げたいと思っているなら、出世は不可欠。一生、その給与で我慢できますか? その先の人生にも大きな差となりますが、本当にいいですか? 出世によって生じる残酷な格差をみていきましょう。
月収45万円・59歳の〈万年係長〉「パッとしない会社員人生だったな…」同期部長と比べて唖然とする「絶望の年金額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

出世欲なんてありません…本当に強がりではないですか?

転職サイト比較plusが、全国の20代の男女2,327人を対象に実施した「出世欲に関するアンケート」によると、今後、出世したいと考えているのは22.4%。その理由で最多となったのは「給料を上げたいから」でダントツでした。一方、出世したくない理由として最も多かったのが「責任ある仕事をしたくない」で、「プライベートを大事にしたい」「目立ちたくない」「会社内の地位に興味がない」と続きました。

 

「若い人に限らず、最近は出世欲がない人が多い」といわれますが、「じゃあ、一生、その給料でいいのか?」と問われたら、言葉に窮する人がほとんどでしょう。会社員である以上、給与アップを目指すなら、出世は不可欠です。

 

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、従業員1,000人以上の大企業で役職のないサラリーマン(平均年齢39.7歳)の平均給与は、月収で33万4,200円、賞与を含めた年収で522万9,600円です。

 

係長は平均45.7歳。給与は月収で42万7,300円、年収で692万6,200円になります。

 

課長は平均49.0歳。給与は月収で59万8,700円、年収で996万4,200円になります。

 

そして部長は平均52.6歳。給与は月収で73万7,900円、年収で1,245万1,500円になります。

 

こうしてみていくと、係長に昇進した際の給与へのインパクトはそれほど大きくはありませんが、課長や部長に昇進した際の給与の増額幅は大きく、給与増を実感できそうなことが分かります。もちろん、その分、責任が大きくなるのは当然のことではありますが。

 

望もうが望むまいが、どこまで出世できるかは未知数。特に従業員の多い大企業であればあるほど出世レースは激しく、仕事ができるからといって上に行けるとも限りません。「万年係長」なんて言葉がありますが、係長で定年を迎える、ということも珍しいことではないようです。