国税庁から『令和4年度民間給与実態統計調査』が発表され、2022年、民間企業で働く会社員などの平均給与が明らかとなり、「2年連続給与アップ」と話題になっています。一方で正社員と非正規の格差は、より鮮明に。非正規社員の苦しい現状をみていきましょう。
手取り月13万円・50代非正規「今日を生きるだけで精いっぱい…」東京・極貧生活の壮絶 (※写真はイメージです/PIXTA)

四半世紀フリーターを続けてきた50代非正規…将来待ち受ける、絶望の「無年金生活」

年収200万円以下ということは、月収で16.6万円。手取りにすると、独身で月13万円程度です。もちろん男性非正規社員といっても、あえてその道を選んでいたり、専業主夫だったりと事情はさまざま。ただいわゆる、好きで非正規でいるわけではないという「不本意非正規」の場合は、結構悲惨です。

 

ーー今日を生きるだけで精いっぱい

 

そんな悲痛な投稿をした、50代のフリーター男性。いわゆる「不本意非正規」です。

 

高校卒業を機に上京&就職するも長続きせず、仕事を転々としてきたといいます。「若いときは仕事もあったけど、最近は面接に落ちてばかり」だとか。いまはコンビニの夜勤で働き、昼夜逆転の生活。何度か正社員への道を模索したこともあったといいますが、スキルなしではどこも受からず、フリーター歴は四半世紀を超えました。昨今の物価高で生活は一層苦しく、生活保護の申請も考えたといいますが、「意味がなかった」といいます。

 

東京23区に在住の50代男性だとすると、最低生活費にあたる生活扶助基準額と家賃にあたる住宅扶助基準額を合わせた生活保護費は13万0,940円。つまり50代男性が非正規として必死に働いて手にした給与は、東京23区で「健康で文化的な最低限度の生活」を送るための費用とまったく同程度。

 

――最低限、東京で生きていけるだけの給与はもらえているから大丈夫ですよ

 

ということ。コンビニのバイト代で、この苦境を乗り越えていくしかありません。また男性は「将来を想像すると怖くなる」とポツリ。このままいけば無年金状態。生きていくためには、このままフリーターを続けるしかありません。

 

国は無年金対策として、保険料納付期間を25年から10年に短縮。また保険料の納付が難しい場合は、納付免除制度を利用する手もあります。

 

もし年金保険料を「10年だけ払う」に間に合えば、40年払った人の4分の1の年金を手にできます。現在、国民年金は満額受給で月6万6,000万円ほどですから、月々1万6,000円くらいは手にできるということになります。

 

いまは月1万6,000円を「たったこれだけ……」と考えるかもしれませんが、年を重ねてからの月1万6,000円は、とてもありがたいものになるでしょう。いまからでも間に合うので、年金を少しでも手にする工夫をするのがおすすめです。