国税庁から『令和4年度民間給与実態統計調査』が発表され、2022年、民間企業で働く会社員などの平均給与が明らかとなり、「2年連続給与アップ」と話題になっています。一方で正社員と非正規の格差は、より鮮明に。非正規社員の苦しい現状をみていきましょう。
手取り月13万円・50代非正規「今日を生きるだけで精いっぱい…」東京・極貧生活の壮絶 (※写真はイメージです/PIXTA)

平均年収563万円だが…「年収200万円以下の非正規男性」、全国に180万人

国税庁から発表された『令和4年度民間給与実態統計調査』によると、民間企業で働く会社員など(平均年齢47.0歳)の2022年の平均年収は458万円で、2年連続の増加となりました。その内訳をみてみると、平均給料・手当は386万円、つまり月収換算32.1万円。そして平均賞与は71.6万円。平均月収の2.2ヵ月分のボーナスをもらっています。

 

さらに男女別にみていくと、男性(平均年齢47.1歳)は平均給料が471.6万円、月収換算39.3万円。平均年収は563.3万円。女性(平均年齢46.9歳)は平均給料が269.6万円、月収換算22.4万円。平均年収は313.7万円でした。

 

ただ、これはいわゆる正社員と、アルバイトやパートといった非正規社員の合算。それぞれの平均給与をみていきましょう。

 

まず正社員(平均年齢44.4歳)の平均給料は426.1万円、月収換算35.5万円、賞与は97.2万円。平均2.7ヵ月分のボーナスをもらい、平均年収は523.3万円です。男女別にみていくと、男性正社員(平均45.0歳)の平均年収は583.8万円、女性正社員(平均43.1歳)の平均年収は406.9万円でした。

 

では非正規社員(平均50.6歳)は、というと、平均給料は187.9万円で、月収15.6万円。賞与は12.6万円で、月収の8割ほどの“お手当て”。平均年収は200.5万円でした。男女別にみていくと、男性非正規社員(平均年齢52.0歳)の平均年収は270.4万円、女性非正規社員(平均年齢49.9歳)の平均年収は166.3万円でした。

 

よく言われる、正社員と非正規社員の給与格差は2倍以上になります。さらに男性非正規社員、408万人の給与分布をみていくと、年収200万円以下で4割強。年収300万円以下で7割弱に達します。数にすると、年収200万円以下の非正規男性」は全国で180万人、「年収300万円以下」まで広げると全国に280万人にもなります。