2パターンに分かれる「勝ち組夫婦」
マンション価格の高騰が止まりません。不動産経済研究所によると、首都圏・新築マンションの平均価格は2021年に6,260万円、2022年に6,288万円と2年連続で過去最高を更新しバブル超え。東京23区に限定すると平均価格が1億円を超えています。
もはや、一般人が東京に新築マンションを持つことなど夢のまた夢といったところでしょうか。
厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、大企業勤務の大卒・男性会社員(平均年齢42.7歳)の平均給与は、月収で43.2万円、年収で745.1万円。新築マンションの物件価格に対する年収の割合である「年収倍率」は、7倍程度が目安ですが、物件価格の高い東京では10倍程度というのは珍しくないといいます。それでも、一般の会社員世帯の片働きでは、東京都23区の平均的なマンションは買えそうもありません。
一方で、夫婦ともに大卒・正社員で、しかも給与上位10%に入る「勝ち組夫婦」の場合。大卒正社員の上位10%に入る男性の月収(所定内給与)は、40代前半で60万5,100円、女性で48万3,800円です。平均的な水準の賞与を手にしたなら、男性は推定年収980万円、女性は年収780万円。世帯年収は1700万円超、まさに「勝ち組夫婦」といえます。
このような高収入の夫婦が住宅購入を検討する際、「どちらか一方の収入だけで住宅ローン返済を考える」という堅実な夫婦と、「2人の合算収入で住宅ローンを組む」というパターンに分かれます。
仮に40歳の夫だけの収入でマンションを買おうとした場合、妥当な金額はどの程度でしょうか。
ローンが適性か否かを判断する基準は「年収倍率」「返済負担率」「完済年齢」の3つ。「年収倍率」は5倍まで、「返済負担率」は20~25%、「完済年齢」は65歳まで、というのが理想的とされています。すると年収980万円・40歳サラリーマンの場合、借入金額は4,900万円まで、月々の返済は16万~20万円ほど、そして返済期間25年というのが適正な住宅ローンの水準といえそうです。