西武池袋本店のストライキによって、街の顔となる百貨店の在り方に注目が集まっていますが、百貨店閉店から街の顔が不在となっていた「川口市」に朗報。いよいよ、百貨店跡地の再整備が動き出しました。みていきましょう。
川口市民、歓喜!「旧そごう跡地」未活用問題解決へ…百貨店の消えた街の行く末 (写真はイメージです/PIXTA)

川口の「そごう跡地」…三井不動産が取得を発表

そしてついに、「そごう川口店」の店舗跡の所有権を三井不動産が取得し、商業施設として改修することが明らかになりました。ビルは地上11階・地下2階で延べ床面積約7万3,200平方メートルという規模。三井不動産という名前が出ると、次々と期待の声があがっています。

 

――三井不動産というと、ららぽーとかな

――駅前直結だから、川崎のラゾーナみたいな施設?

 

どのような施設になるかは正式発表を待ちたいところですが、同じ「そごう」跡地でみれば、同社は2000年に閉店した「錦糸町そごう」の跡地に、人気チェーン店が多く入る商業施設「アルカキット錦糸町」をオープンさせています。「そごう川口店」とは同程度の規模なので、似たような展開も予想されています。

 

百貨店が消えて2年。「やっとここまできた……」と多くの市民が胸をなでおろしているようですが、同じく、百貨店開店から30年ほどで「百貨店のない街」となった「相模大野」。小田急小田原線「相模大野」に、1990年に「伊勢丹相模原店」が誕生。売上ピークは1996年の377億円と、「そごう川口店」と規模も時期も重なるところがあります。しかし三越伊勢丹ホールディングスの業績不振から、伊勢丹府中店、新潟三越とともに、2019年に閉店が決まりました。相模原市は2015年の川崎市に次いで「百貨店のない政令指定都市になった」としても話題になりました。

 

「伊勢丹相模原店」は早々に野村不動産に売却が決まり、解体に着手。41階建て複合型タワーマンションが2025年竣工予定だと早々に発表となりました。東京近郊であれば、業績不振による閉店とはいえ、その立地からすぐに跡地利用が発表されるもの。それだけに「そごう川口店」の跡地利用が2年もの間、未定だったのは異例だといえるでしょう。

 

権利者が複数いて難航したなど、裏事情もチラホラと聞こえてきますが、まずは早期整備に向けて一歩前進。どのように生まれ変わるか、市民の期待は高まります。