夫婦共働きが多数派を占めるなか、マイホームの購入にあたっては、以前よりも高額のローンを組むことが多くなっているといいます。そんななか傍からみたら完璧な返済プランも、ちょっとしたことで負担増、挙句の果てに家計破綻……そんなケースも考えられます。みていきましょう。
私、仕事辞めるわ「月収37万円」40代のサラリーマン、妻の決心で「月18万円のローン返済」も絶望…「もう、無理!」 (※写真はイメージです/PIXTA)

夫の収入だけを考えて住宅ローンを組んだけど…

月収37万円、年収616万円の40代前半のサラリーマン。月々のローン返済は18万円で、手取りから引くと、10万円ほど残る計算。家族3~4人暮らしであれば、ちょうど生活費を払ったらとんとんといったところでしょうか。冠婚葬祭など、プラスαの出費があるときは奥さんの収入で賄い、残りはほぼ貯蓄へまわる……完璧なマネ―プランで、まったく問題なしと考えられるでしょう。しかし、人生何が起きるかわかりません。

 

――私、仕事辞めるわ

 

妻から突然の告白。狼狽する夫。よくありそうなシーンです。厚生労働省『雇用動向調査』で女性の年齢別の離職率をみていくと、多少の凸凹はあるにせよ、年齢を追うごとに低下する傾向にあり、40代前半では10.6%、40代後半で10.9%。それでも10人に1人が辞めるわけですから、40代女性の離職はそれほど珍しいことではありません。

 

離職理由で多いのは「職場の人間関係」で16%ほど。「労働時間や休日などの労働条件」が15%ほど、「給料に不満」が10%ほど。これらであれば、転職を考えての離職のケースが多いので特に問題はありませんが、子育てや介護などを理由にした場合、とりあえず離職、復職は状況によって……というケースも多いのではないでしょうか。

 

―俺一人で月18万円のローン返済なんて……もう、無理!

 

夫婦共働きだから、上限いっぱいでも住宅ローンは大丈夫。そんな前提であっても、思わぬ妻(夫)の離職でローン負担が一気に増し、余裕だったはずの返済プランが絶望的に……ありえない話ではありません。夫婦共働きでも返済は夫(妻)の収入だけで考えることはもちろんのこと、1馬力でも返済負担率は20%前後として返済プランを練るほうが賢明だといえるでしょう。