江戸時代から伝わる、「なんとかの七不思議」。怪談など7つの物語がまとめられて色々と伝わっていますが、そこには江戸の地域や地形に基づいて特色ある話題が語られ、いまに通じるものも。怪談話を知ると、いまの「東京」を深く知るきっかけにもなるかもしれません。
怪談、奇談、摩訶不思議な話…「江戸の七不思議」から「東京の街」を読み解く (※写真はイメージです/PIXTA)

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馬喰町七不思議

滝沢馬琴の『兎園小説(とえんしょうせつ)』に「江戸馬喰町に亦七奇異あり」としてあげられています。『兎園小説』とは、滝沢馬琴らが発起人となって、毎月1回、奇事異聞を持ち寄って披露する「兎園会」と称する会の記録です。文中では「七ふしぎ」の項が設けられ、その冒頭で、あやしい事象が重なることを七不思議と言い、その起源は越後であると前置きしています。

 

卵を産む女

布袋屋という商人の裏借屋に住んでいる男の女房が卵を産んだと騒ぎになった。しかし実際は卵ではなく、卵膜に包まれたまま生まれた胎児であったという。

 

水溜桶に落ちた子ども

商人の店の前にある天水桶という水溜桶に小さな子どもが落ちて溺死した。桶の中の水が枯れて半分ほどになっていたところに、落としてしまった人形を取ろうとして誤って落ち、そのまま亡くなってしまった。

 

その他にも、「鼠に似た怪しい異国の獣」、「三匹の犬」、「三日月井戸の暗号」、「和睦の後の傷」、「先祖の因縁」などの話があります。

 

【その他の江戸の七不思議】

●麻布七不思議

「柳の井戸」、「狸穴の古洞」、「広尾の送り囃子」、「善福寺の逆さ銀杏」、「蟇(がま)池」、「長坂の脚気石」、「一本松」

 

●番町七不思議

「城家の団子婆」、「朽木の幽霊」、「狸囃子」、「足洗い」、「宅間稲荷の霊験」、「番町の番町知らず」、「八つの拍子木」

 

●品川・東海寺七不思議

「片身の鱸(スズキ)」、「鳴かないカエル」、「片なりのイチョウ」、「潮見の石」、「血の出る松」、「火消しの槇」、「千畳づりの蚊帳」

 

●千住の七不思議

「千住大橋と大亀」、「千住大橋と大緋鯉(おおひごい)」、「牧の野の大蛇」、「片葉の葦」、「子福さま」、「金剛寺のそばえんま」、「おいてけ堀」

 

●豊島七不思議

「王子装束狐」、「狐の嫁入り」、「人形流し」、「太古の音」、「大道法師」、「八百比丘尼」、「深んどう」、「罰当たりの杉」 、「でっかん坊橋」など

 

●江戸城七不思議

「北の御部屋の猫」、「夜泣き石」、「血湧きの井戸」、「踊る白狸」、「月見の池」、「願掛け松」、「大奥の雛祭り」、「深夜の馬の蹄」、「行方不明の軍用金」

 

●吉原七不思議

「大門あれど玄関なし」、「河岸あれど舟つかず」、「角町あれど角(すみ)にはあらず」、「茶屋あれど茶は売らず」、「新造にも婆あり」、「若い者にも禿あり」、「遣り手といえども取るばかり」

 

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