将来のことなど誰もが分からず、だからこそ誰もが老後を不安視するのかもしれません。しかし「確実に……」と言われている未来があります。それは2040年代に訪れる「年金の減額」。20年後の未来について考えてみましょう。
年金月28万円のはずが…40代サラリーマンが絶句する「20年後の年金受給額」 (写真はイメージです/PIXTA)

サラリーマンの老後に起こる想定外…妻に先立たれるなんて

老後の生活を支える、公的年金。もちろん、これは平均値を用いたもので実際は人それぞれ。また想定通りになるかもしれないし、想定通りにはならないことも十分考えられます。

 

想定通りにいかないのは夫婦生活も同じ。いつかは分かりませんが、夫婦であれば必ずパートナーとの別れは訪れます。平均寿命から考えたら、夫が先に亡くなることをまずは想定するでしょうが、そうとも限りません。

 

厚生労働省の『令和2年人口動態』によると、配偶者を亡くしている人(=死別)は男性で156万8,614人、女性で747万1,826人。女性のほうが圧倒的に多くなっていますが、「妻に先立たれること」は決して珍しいことではありません。

 

一方、死亡数を配偶関係別にみたとき、「死別」の死亡者は男性で13万7,610人、女性で42万3,304人。死亡率でみていくと、「死別・男性」は「死別・女性」の1.5倍強にもなります。また米国・ロチェスター工科大学では、2012年「妻を亡くした男性は、平均よりも早死にする可能性が30%高い」という研究結果を発表しています。

 

「有配偶者・男性」と「死別・男性」の死亡原因についてみていくと、死別・男性に多いのが、「高血圧性疾患」や「心疾患」、「脳血管疾患」、「肺炎」など。また「不慮の事故」が多いのも特徴です。妻を亡くした夫は元気をなくし、夫を亡くした妻は生き生きするとはよくいったもの。パートナーとの死をきっかけに、生活が乱れ、社会とのかかわりも激減、死期を早める……そんなパターンが想像されます。

 

そうなったとき、施設への入居もひとつの手。介護を必要としていなくても入居できる自立型有料老人ホームであれば、食事や生活支援などのサービスが提供されるほか、入居者の健康サポートや入居者同士との交流も。パートナーに先立たれた悲惨な老後とは無縁の生活が送れるでしょう。

 

入居金は0〜億単位、月額費用は10万〜40万円程度とピンキリですが、基本的にほかの老人ホームよりも費用は高く設定されています。準備なしには、なかなか入居を検討できないかもしれません。

 

20年後、厳しさ増す高齢者の懐事情。さらにパートナーとの別れという想定外の事態を乗り切るためにも、資産形成は万全に進めていきたいものです。