「この銘柄の適正株価はいくら」と、メディアが報じる「理論株価」を参考に株式投資をしている人は多いのではないでしょうか。しかし結論からいうと、それをあまり当てにしてはいけません。では、それをどう捉え、どう扱えばよいのでしょうか。本稿では、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が、理論株価の捉え方について解説します。
算出の根拠は“曖昧”、しかも複数存在する〈理論株価〉…株式投資家はどこまで参考にすべきか【投資のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

理論株価より大幅に安く買うことを目標にすればローリスクの投資となる

では、理論株価を算出することやそれを参考にすることは、意味がないのでしょうか?

 

実は、そんなこともありません。

 

なぜならば、株式というのはその会社の所有権の一部であり、その適正価格について考えることは、ビジネスや会計の知識を深めるうえで有意義ですし、それは株式投資にも役立つためです。

 

それに、「この株はいくらで買うのが妥当なのか」を判断できる人ほど、やはり「投資に強い」といえます。

 

ただしそこで気をつけるべきことは、理論株価を過信しないことです。そして、市場の評価というのも曖昧なものであり、いつまでも過小評価され続ける会社もあることを認識しておくべきです。その解決策として、自分や誰かが算出した理論株価より安い値で、できれば大幅に安い値で買えばよいのではないでしょうか。

 

そうした投資行動をとれば、その後の値下がりリスクを抑えられるはずです。そして仮に、理論株価まで上がれば大儲けとなりますし、そこまで上がらなかったとしても、少なからぬ利益を手にすることができるでしょう。