昨今、年金だけでは老後は賄えないという事実が浮き彫りになり、これから先、日本人には自助努力が求められています。しかしどれだけ自助努力をすれば、幸せな老後を実現できるのでしょうか。突き詰めていくと、なんとも悲しい事実がみえてきました。
年金「月14万円」…手取り23万円の日本人の〈残酷すぎる老後〉に「もう笑うしかない」 (写真はイメージです/PIXTA)

自助努力するだけのお金すらない…待ち受ける日本人の末路

老後に対しての防衛意識は高まりつつありますが、実際に準備が進められているかどうかは別問題。同調査で、「あなたは、ご自身やご家族の将来をどのようにしたいか、そのための経済的な準備をどうしたらよいかといった、 具体的な生活設計を立てていますか。」の問いに対して、「生活設計あり」は39.9%と4割程度に留まります。

 

また「生活設計を立てていない理由」としては、「将来を見通しづらいから」が25.8%とトップ。続いて「経済的余裕がないから」が23.1%と続きます。自助努力が必要と分かっていながらも、「努力するためのお金がない」という人がこんなにもいます。また世代別にみていくと、「お金がない」を理由とする人の割合が最も高いのは、年金生活が眼前に迫っている50代でした。

 

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、日本人(平均年齢43.7歳)の平均給与は月31.1万円、手取りにすると、23万~25万円程度。また50代では前半で月36.4万円、後半で37.0万円。手取りにすると27万~29万円ほどです。50代は収入面でピークに達するタイミングですが、子どもの教育費や住宅ローンの返済など、支出もピークに達するタイミング。「とても自助努力なんてしていられない」というのが本音です。

 

一方で、将来もらえる年金は厚生年金受給者で平均月14万5,372円(厚生労働省『令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』より)。理想に対して、かなり厳しい現実となっています。

 

公的年金には期待していない

→自助努力の必要性は分かっている

→でも、努力するにもお金がない

→年金受取額は必要額以下

 

これが多くの日本人の既定路線。十分な資産形成はできずに老後を迎えてしまい、どうすることもできない……そんな残酷な未来が確定ななか、私たちは、もう笑うしかないのです。せめて努力できるだけの最低限のお金くらいは手にできる世の中になってほしいものです。