大学全入時代といわれ久しく、「大学くらい出ておきなさい」というのが親のお決まり文句になっています。一方で「そこまでして大学に進学して意味があったのだろうか」と後悔する若者も多いとか。みていきましょう。
手取り月19万円…「月1万円でもツライ」都内1人暮らし男性の悲鳴「後悔しています。」 (写真はイメージです/PIXTA)

都内1人暮らしの若手社員を苦しめる「奨学金の返済」

奨学金返済のツラさは、ネットの書き込みにもあふれています。

 

――毎月、1万円の返済でもツライ

 

都内在住のサラリーマンだという20代男性。派手な暮らしをしてるわけではありませんが、よく「生活が苦しい」「お金がない」などとつぶやき、奨学金返済についても言及しています。奨学金の返済は月々2万円。平均より多いですが、たとえ平均値以下の返済でも生活は苦しく、奨学金を利用して大学に進学したことを後悔することもあるといいます。

 

厚生労働省の調査によると、20代前半・東京都の企業に勤務する男性であれば、平均月収は24.6万円。全国平均を大きく上回りますが、保険料や税金を引くと、手取りは19万円程度になります。都内周辺の家賃相場は1Kで7万〜8万円程度。住宅補助があるならましですが、ないのなら若手社員の給与では生活していくのもやっとです。

 

奨学金利用者の多くは、大学卒業とともに数百万円の負債を抱えることになります。その負担感から、結婚や出産など、ライフイベントに影響を及ぼしていることは前からも指摘されているとおり。日本において少子化は緊急課題ですが、その解決のためにも奨学金の返済負担軽減も急務なのです。

 

「そもそもお金がない親は子どもを大学に行かせるべきではない」「どこの大学でもいいという感覚なら無理に通わせても意味がない」などという声も多く聞かれます。

 

ただ求人をみれば分かる通り、いまだに応募資格として「大学卒以上」と書かれているものは多く、また「学歴不問」と書かれてあっても大学卒のほうが有利という現状を鑑みると、親としては「どこでもいいから大学くらい行っておきなさい」となるのも仕方がありません。

 

学歴なんて関係ないという風潮も結局は表向き。親としては早くから資産形成を進めることが、子どもを不幸にさせないための最善策といえるでしょう。