最近は賃貸派が増えているといわれるものの、まだまだ根強い日本の「持ち家志向」。マイホームの購入に際しては、ほとんどの人が住宅ローンを利用しますが、平均的な給与の会社員は、どのような返済プランを立てているのでしょうか。詳しくみていきます。
「中古でいいから、マイホームがほしい」…年収540万円・40代会社員が“ムリなく払える”住宅ローン返済プランは? (※写真はイメージです/PIXTA)

平均的な会社員…平均返済負担率20%の場合の返済月額

飽きることなく繰り返される「賃貸VS持ち家」の議論。着地点は「ライフスタイルによる」ということになりそうですが、昨今は「シェリングエコノミー」「持たない暮らし」といったライフスタイルが浸透していることから、賃貸派が増えているともいわれています。

 

とはいえ、5年に1度行われる総務省『住宅・土地統計調査結果』の最新調査(2018年)によると、日本の持ち家率は61.2%。過去40年ほど、常に持ち家率は60%前後で推移しており、日本人にはまだまだ根強い「持ち家志向」があることもわかっています。

 

住宅を購入するにあたって、真っ先に頭をもたげてくるのがお金の問題。人生の三大支出に数えられる住宅は、通常、何千万円という出費が伴いますから、ほとんどの人が住宅ローンを活用します。ただ返済計画にムリがあると、家計が破産してしまい、せっかく手にしたマイホームを手放さざるを得なくなってしまうため、注意が必要です。

 

国土交通省『令和4年度住宅市場動向調査』で中古分譲マンション購入者(一次取得)をみてみると、45歳手前で3,000万円強の物件を期間28~30年の住宅ローンを利用して購入する…これが平均像です。

 

中古分譲マンション購入者(一次取得)の平均像
世帯主平均年齢 43.7歳
購入資金 3,025万円(うちローン2,070万円)
自己資金比率 31.6%
平均返済期間 28.5年
返済負担率:16.6%

出所:国土交通省『令和4年度住宅市場動向調査』
※返済負担率以外は一次取得者に限る

 

「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、日本の40代前半のサラリーマン(正社員)の平均給与(所定内給与額)は33.3万円。残業代や賞与も含めた年収は、推定540.6万円です。年収の20%というのが適正なローン返済割合といわれていますので、平均的な年収のサラリーマンの場合、年間返済額は108万円。月々の返済額は9.1万円ほどになるように、ローンを設定するのが1つの基準になりそうです。