漠然としているからこそ老後の生活に不安を覚える……誰もが心に抱えるモヤモヤ。そこで将来もらえるだろう年金受給額を計算してみたら、さらに不安が増す事実がみえてきました。老後不安、どうすることもできないのでしょうか。みていきましょう。
月収30万円・30歳のサラリーマン…「65歳の年金受給額」に開いた口が塞がらないワケ (写真はイメージです/PIXTA)

順調に昇給してもギリギリ…年金だけで老後を賄うのは無理な現実

実際に手にする年金額は額面の85~90%ほど。①であれば12.7万円、②であれば14.5万円、③7万円ほどになります。

 

一方、年金生活者の1ヵ月の支出はどれくらいか、というと、平均で15万円ほど。そう考えると、年齢とともに順調に給与が上がる②のパターンでもぎりぎり。ほかは年金だけでは生活できないことが確定ということがみえてきます。

 

老後の安定材料である公的年金ですが、生活を保障するには不十分で安定を求めるなら独立なんてもってのほか……

 

――えっ、それだけしかもらえないの……

 

悠々自適な老後なんて、年金だけで叶えるなんて到底無理。「保険料さえ納めておけば、老後は保障される」と思っている人はいまだに多く、そのような人がこの現実を知れば、開いた口も塞がらないでしょう。

 

ところで、年金を少しでも増やす方法はないのでしょうか。手っ取り早い方法としては、年収を増やすことがあります。しかし、厚生年金は年収が高くなるほど年金受給額は増えていきますが上限があり、20歳~60歳まで会社員だった場合、簡易的な計算ですが月14.2万円程度がマックスとなり、国民年金と合わせても21万円ほどにしかなりません。

 

「もっと年金受給額を増やしたい!」というなら、60歳以降も働くという方法も。現在、厚生年金に加入できるのは70歳まで。仮に70歳まで厚生年金に加入していれば、老齢厚生年金は月17.8万円まで増やすことができます。さらに繰下げ受給制度を利用して75歳から年金受給をスタートさせれば、年金総額月30万円超えというのも現実になります。

 

ただ、どんなに頑張っても現役時代の収入に比べて、年金受給額は見劣りするもの。どんなに高給取りだろうと、年金だけで老後を賄っていくのは難しいのが現実です。このような現実を見越して、早めに資産形成をスタートさせることが得策だといえるでしょう。