漠然としているからこそ老後の生活に不安を覚える……誰もが心に抱えるモヤモヤ。そこで将来もらえるだろう年金受給額を計算してみたら、さらに不安が増す事実がみえてきました。老後不安、どうすることもできないのでしょうか。みていきましょう。
月収30万円・30歳のサラリーマン…「65歳の年金受給額」に開いた口が塞がらないワケ (写真はイメージです/PIXTA)

人生の岐路に立つ30歳のサラリーマン…ケース別、将来の年金見込み額

年金なんてあてにならない……そんな報道も目につく今日この頃。しかし、実際に自身の老後を考えたとき、やはりあてにするのは年金です。

 

日本の公的年金は大きく2つ。主に自営業者が対象となる「国民年金(老齢基礎年金)」と、それに加えて主に会社員や公務員が対象となる「厚生年金(老齢厚生年金)」。そして重要なのが、日本の公的年金は積立方式ではなく、賦課方式であること。そのときの高齢者をそのときの現役世代で支えるというもので、給与から天引きされる保険料の分だけ年金がもらえるというものではありません。

 

「こんなに保険料を払っているのに、なんでもらえる年金はこれだけなんだ!」というよくある怒りの声は、日本の年金制度が積立方式だと勘違いしているから。一方で「どんどん高齢者が増えていって、将来、年金なんてもらえるんだろうか……」という声は、賦課方式であることを理解しているからこその不安だといえます。

 

なにはともあれ、漠然とした将来に対しては誰もが不安になるもの。

 

――年金はいくらになるか分からないし、あてにならないと聞くし……

 

そこで将来の年金見込み額について、いくつかのパターンを考えてみましょう。たとえば、これからライフステージが大きく変わる30歳のサラリーマン。厚生労働省の調査によると、平均月収(所定内給与額)は30.1万円、平均年収は508.0万円です。これまで平均給与を手にしてきたとして

 

①平均年収が500万円から上がることなく、60歳まで会社員を続けた場合

②31歳以降も平均給与を得て、60歳まで会社員を続けた場合

③31歳で独立し、国民年金に切り替わった場合

 

と、ありえそうな3パターンについてみていきます。

 

まずこれから先、給与が全然上がらないというジレンマに陥った①の場合、厚生年金部分は8.3万円となり、国民年金と合わせると月15万円ほどになります。年齢とともに順調に給与が上がっていく②の場合、厚生年金は10.3万円、国民年金と合わせると月17万円ほどになります。そして独立した③の場合、厚生年金は1.7万円、国民年金と合わせて月8.3万円ほどになります。