厚生労働省の発表で、日本人の平均寿命が2年連続で縮んだことが明らかになりました。しかし日本が長寿国であることは変わりません。そのようななか年金への不安から、長寿であることが必ずしも幸せとは限らない……では年金不安から解放されるために、自力で生きるためにはいくら必要なのか……考えてみましょう。
平均年金「月22万円」だが…高齢者夫婦、年金に頼らず「平均寿命」まで生きるのための貯蓄額 (写真はイメージです/PIXTA)

新型コロナウイルス感染症の影響で「日本人の平均寿命」2年連続縮む

先日、発表された厚生労働省『簡易生命表』によると、2022年、日本人の平均寿命は女性が87.09歳、男性が81.05歳。いずれも2年連続で短くなりました。厚生労働省では、昨年、新型コロナウイルス感染症による死亡者が4万7,635人と、一昨年、2021年と比べて3万人あまり増加した影響が大きかったと分析しています。

 

一方で、世界からみて女性は世界1位、男性はスイス、スウェーデン、オーストラリアに次いで4位(平均寿命を公表している国に限る)。長寿国であることに変わりはないようです。

 

長生きできることは素直に喜ばしいこと……とはいえないのが、昨今の日本人。「長生きしても……」と不安を吐露……それは将来の年金不安が大きいようです。

 

厚生労働省『令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、国民年金受給者(老齢基礎年金のみ)で月5万6,479円、厚生年金受給者(老齢基礎年金+老齢厚生年金)で月額14万5,665円。また同じく厚生労働省によると、標準的な高齢者夫婦の年金額は月22万4,482円としています。

 

※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

 

それに対して、高齢者の生活費はどれくらいになるのか……総務省『家計調査 家計収支編』(2022年平均)によると、65歳以上・単身世帯の1ヵ月当たりの生活費(消費支出)は14万9,208円、夫婦世帯で23万6,696円だといいます。

 

1人暮らしの単身者であれば、元会社員・元公務員で月14.5万円ほどの年金。そこから保険料や税金が引かれ85~90%程度になるので手取り13万円程度になり、月2万円程度の赤字になる計算となります。同じように高齢夫婦であれば、月の手取りは20.5万円程度になり、赤字額は月3万円程度になる計算。赤字分は、貯蓄から取り崩して賄わなければなりません。