生きていれば誰にでも訪れる老後ですが、皆、「不安」を口にします。理由で最も多いのが「お金のこと」。さらにこの先の日本を考えると、その不安は大きくなることが確実です。これから訪れる、何とも心配な日本の未来をみていきましょう。
平均年金14万円だが…「これで、どう生きていけと?」手取り25万円・40代サラリーマンが20年後に受け取る「絶望の年金額」 (写真はイメージです/PIXTA)

現役世代の8割が「老後が不安」…理由はやはり「お金」

老後に対しての不安……定年退職を直前に控えた50代とかであれば、漠然とした不安を覚えていても当然かもしれませんが、若い人も同じくらい老後を不安に思っているのが昨今の日本です。

 

金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]』(2022年)によると、老後の生活について「心配である(「多少心配」と「非常に心配」の合計)」と回答したのは、全世代平均が79.2%。年齢別にみていくと、不安の大小はあるものの、現役世代(20~50歳代)の8割は自身の老後に対して何かしら心配事を抱えていることが分かります。

 

【年代別「老後の生活に対する考え方」】

20代:83.2%(42.3%/41.0%)

30代:84.3%(29.9%/54.3%)

40代:86.7%(30.9%/55.9%)

50代:84.4%(27.6%/56.8%)

 

出所:金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]』(2022年)より

※数値左より「老後の生活が多少心配と非常に心配の合計(「老後の生活が多少心配である」の割合/「老後の生活が非常に心配である」の割合)

 

心配の種としては、「十分な金融資産がないから」が最も多く全体の72.5%、続いて「年金や保険が十分ではないから」が52.8%。「生活の見通しが立たないほど物価が上昇することがあり得ると考えられるから」が31.3%、「現在の生活にゆとりがなく、老後に備えて準備(貯蓄など)していないから」が30.8%と続きます。

 

老後の生活費で多かれ少なかれ当てにするのが公的年金。国民年金は満額支給で6.6万円、厚生年金は平均14万円(国民年金含む)といわれています。一方で、老後の生活費は、ひとり暮らしで平均14万円程度。平均的な元・会社員であれば、年金の手取りは月12万円程度となるので、「月に2万円、1年で24万円ほど、年金だけでは生活費が足りない」ということになります。人生100年時代、という言葉のとおり、100年生きる準備をしておくなら、840万円ほどの貯蓄があればOKということです。

 

前出の同調査で金融資産保有額(将来のための貯蓄額)をみていくと、平均1,348万円。多くの人が十分な準備をしている……と思いきや、中央値は450万円。ちょうど半分の人は、100年生きるための貯蓄額にはほど遠い、というのが現実です。