速報でも流れた「東京23区の新築マンション平均販売価格1億円超え」のニュース。東京に家を持つなど夢のまた夢である現実を突きつけられたことでしょう。しかし、なかにはちょっと無理して億ション購入に踏み切る、普通の会社員の姿も。しかしそこには大きなリスクも内包しています。みていきましょう。
都心の億ションを買う「年収1,400万円」の勝ち組夫婦「まさか、こんなことになるとは…」ローン破綻に追い込まれる想定外 (写真はイメージです/PIXTA)

東京23区の新築マンション、平均1億円超え

不動産経済研究所が発表した2023年1〜6月の新築分譲マンションの平均価格が、東京都23区内で1億2,962万円。これは前年同期比6割増で、1973年の調査開始以来、上半期では初めて1億円を突破。速報が流れるほどのインパクトとなりました。

 

東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県の平均価格も、前年同期比4割増の8,873万円で過去最高を更新。東京都下は5,609万円で前年同期比3.5%増、神奈川県は5,748万円で7.6%増、千葉県は4,766万円で0.8%増。一方で埼玉県は5,019万円で前年同期比14.7%減となりました。

 

新築マンション価格は、資材高や人件費増で建築コストが膨らんでいることで高騰していますが、東京23区で前年同期比6割増となったのは、都心5区に全戸億ションの高額物件が次々に登場したところが大きいようです。

 

たとえば「三田ガーデンヒルズ」。旧東京簡易保険支局跡地に誕生した1,000戸を超える14階建てマンションで、最低価格は2億3,000万円と、一般庶民からすると浮世離れしたもの。東京23区では今後も高額&大型物件の発売が控えているので、「平均価格1億円超え」という状態はしばらく続きそうです。

 

また前出のとおり、1都3県で唯一、前年同期比マイナスとなった埼玉県では、前年に多くのタワーマンション、いわゆるタワマンが発売され、その反動が大きかったよう。タワマンは通常のマンションよりも2~3割程度高い販売価格となるため、平均価格に与えるインパクトは大きなものです。

 

――東京に家を買うなんて無謀なのか

 

多くの人がそう思わざるを得ない昨今のマンション事情。一般の人が買えるのは、東京23区でも都心から離れた周辺部に限られます。そんななか、“東京のマンション”を買っているのは、富裕層と投資家。

 

タワマンによる過度な相続税対策に規制が入り、「富裕層のタワマン離れ」などいわれていますが、それでも資産性の高さは変わらずで、引き続き、富裕層から高い関心が寄せられています。また諸外国の主要都市と比べた際の東京の不動産価格のお買い得感も相変わらずで、所有者の多くが外国人というマンションもあるといいます。