多くの人が、なかなかお金が貯まらないという悩みを抱えています。その状態から脱して貯蓄を習慣づけるには、どうすればよいのでしょうか。ファイナンシャルプランナー横山光昭氏(先生)と、家計管理に悩む会社員の中野美佐紀さん(生徒)の対話形式で解説します。※本記事は横山光昭氏の著書『知識ゼロですが、無理なく増えるお金ルーティン教えてください。』(インプレス) から一部を抜粋し、再編集したものです。
【著名FPが伝授】貯蓄もできない人が復活して「お金を増やす5つの方法」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「ついつい出費」をなくしてみよう

贅沢はしていないのにお金が貯まらないと思うなら、数百円の違いが積み重なって数万円単位の違いになっているかも。まずは小さな差に気づくところから始めましょう。

 

先生:先取り貯蓄も固定費の削減も簡単だったでしょう? 一度システム化してしまえば、自然とルーティンが作れるんだ。

 

生徒:これなら続けていけそうです! ほかにも無理なく出費を減らせるポイントはありますか?

 

先生:それなら「ついつい出費」をなくしていこう。つい、コンビニでコーヒーやお菓子を買ってしまうことはないかな。

 

生徒:あります! 仕事のリフレッシュには不可欠ですもん。

 

先生:完全にやめる必要はないけれど、たった100円されど100円。チリも積もれば山となるからね。例えば、毎日飲む分はスティックコーヒーにしてみたらどうかな。1本あたり20円くらいで買えるよ。

 

生徒:1日100円の違いでも、1年続いたら3万6,500円、5年で18万円を超えますね。海外旅行にも行けちゃう……?

 

先生:ただし、セールに飛びついて買い物をするのは要注意!

 

生徒:え! 私、意識してセール期間中に買い物をしているんですが。でも、言われてみれば、お金は貯まっていないですね……。

 

先生:そう。なぜなら、安いと思って買いすぎてしまうから。割引やセールは「買ってもらうための仕掛け」なんだ。値段に惑わされず、本当に必要なものだけを見極めよう。

 

アンカリング効果……先に印象づけられた情報によってその後の判断に影響が生じる現象。「5万円の商品が今なら5,000円」のように、相場や商品自体の価値ではなく、もとの数字に引っ張られて安いと感じてしまう。

 

◆知ること|100円を笑う者は100円に泣く!?

少し割高だと思っても、100円ならあまり変わらないと思ってしまいがち。無理して切り詰めなくても、少しの差が大きな差になると意識しておくだけでもお金の貯まりやすさは違ってきます([図表6]参照)。

 

 

[図表6]「小さな出費」も積み重なれば「大きな出費」に

 

◆やること5|無理なくできるチリツモ節約術

最後に、無理なくできる「チリツモ」節約術を挙げておきます([図表7]参照)。

 

・弁当・水筒を持参する

・コンビニATMを使わない

・健康食品や化粧品の定期配送をやめる

・セール品は割引率の大きさより値段そのものに注目する

・引っ越しや修理の費用は相見積もりをとる

 

[図表7]チリツモ節約術の一例

 

「相見積もり」とは……複数の業者に同じ見積もりを依頼すること。修理などでは使用する道具や材料が違うと費用が大きく変わる場合もあるため、相場を知るのに役立つ。他社の見積もりを提示すると値引きしてくれることも。

 

 

横山 光昭

家計再生コンサルタント

株式会社マイエフピー代表