多くの人が、なかなかお金が貯まらないという悩みを抱えています。その状態から脱して貯蓄を習慣づけるには、どうすればよいのでしょうか。ファイナンシャルプランナー横山光昭氏(先生)と、家計管理に悩む会社員の中野美佐紀さん(生徒)の対話形式で解説します。※本記事は横山光昭氏の著書『知識ゼロですが、無理なく増えるお金ルーティン教えてください。』(インプレス) から一部を抜粋し、再編集したものです。
【著名FPが伝授】貯蓄もできない人が復活して「お金を増やす5つの方法」 (※写真はイメージです/PIXTA)

固定費を見直してみよう

先生:家計が黒字化できても、まだまだ余力はない……。そんなときは、毎月かかっている「固定費」にムダがないか見直してみよう。削れる出費はまだあるかもしれない。

 

生徒:先取り貯蓄を始めたら、毎月貯蓄ができるようになりました! それでも、どうしても出費が減らせない月があって……。

 

先生:交際費や娯楽費を削ろうとしても、減らせる月と減らせない月があるよね。だから、「変動費」よりも「固定費」から削減してみよう。一度見直してしまえば、その後も安定して生活費を抑えられるんだ。

 

生徒:固定費って、家賃とかスマホ代のことでしたよね。そこを削ってしまうと、生活水準が下がってしまわないでしょうか。

 

先生:確かに、今よりも家賃の安い家に住もうと思うと、ライフスタイルが変わってしまうかもしれないね。でも、今の生活を変えずに削減できる部分もあるはず。例えば、格安スマホに変えるくらいなら簡単でしょう?

 

生徒:うーんでも、今困ってないし、手続きも面倒くさそうで……。

 

先生:スマホ代が月3,000円減らせると、1年では3万6,000円。国内旅行1回分にはなるんじゃないかな。そもそも格安スマホへの切り替えは数分でできるから、そんなに手間でもないしね。

 

生徒:旅行! そう言われると、すぐに変えたくなってきました。

 

先生:ほかにも、あまり利用していない動画・音楽のサブスクはないかな? 通えていないジムの会費なんかも見直しポイントだよ。

 

国内旅行での平均支出……観光庁「旅行・観光消費動向調査」(2022年)によると、日本人の国内旅行の1人あたり支出(交通費や宿泊費、飲食費、買い物代等を含む)は、日帰りで1万8,540円、宿泊で5万9,174円。

 

◆やること3|変動費よりも固定費から削減する

変動費は毎月同じように削減できるとは限りません。もちろん日頃から浪費を避ける意識は大切ですが、一度固定費を見直せば、無理なくベースの生活費を抑えられます([図表4]参照)。

 

[図表4]「変動費」より「固定費」から削減すべき理由

 

◆やること4|なくても困らないものはやめてみる

「あれば使う」くらいで契約しているサブスクは、思い切ってやめるのも手。動画や音楽のサブスクは入会金がないケースが多いので、再加入してもデメリットはないといえます([図表5]参照)。

 

[図表5]やめてみることを検討すべき対象の一例

 

「車の維持費」とは……マイカーを所有した場合、購入費のほかに、車検や自賠責保険、駐車場、メンテナンス、ガソリンなどの維持費がかかる。また、自動車重量税、自動車税・軽自動車税といった税金もかかる。