子どもを大学等に通わせる場合、収入や貯蓄では学費が足りない場合に利用できるのが「奨学金」と「教育ローン」です。これらは、利用要件や上限額など特徴が異なります。いずれにしても、家計を把握したうえで適切に利用する必要があります。それぞれの利用の条件、活用法について、ファイナンシャルプランナーの坂本綾子氏が著書『子どもにかかるお金の超基本』(河出書房新社)から解説します。
「返済不要」や「無利子」もある…大学の学費を賄う「奨学金」の利用条件と「教育ローン」との使い分け【FPが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

奨学金の活用法

◆大学生活の収支計画を立て貸与の月額を決める

奨学金の月額をいくらにするか迷いますよね。たとえば、第一種は国立大学で自宅通学だと最高月額は4万5,000円です。12か月分で国立大学の年間授業料に相当します。

 

授業料の半分程度は払えるなら、その分の奨学金を減らし、生活費は子どものアルバイトでまかなう。学費は払えるけど仕送りが難しいなら、アルバイトだけでは不足する生活費に奨学金をあてるなど。準備できている資金と足りない分を確認し、奨学金をどう使うかで判断します。

 

それには子どもと計画をすり合わせることが重要。返済はいずれ子ども自身が行うので、その自覚も必要となります。

 

◆立場に応じた給付型奨学金を探そう

世帯の所得が低い場合は、日本学生支援機構の給付型奨学金の対象です。条件は、成績が5段階評価で3.5以上、住民税非課税か、それに準ずる世帯。日本学生支援機構の給付型奨学金は、授業料や入学金の減免も受けられます。奨学金と授業料等の減免額は、世帯収入に応じて3段階です([図表4][図表5][図表6]参照)。

 

上記の年収の目安は、両親・本人・中学生の4人世帯を想定した「例」
[図表4]日本学生支援機構の給付型奨学金の仕組み 上記の年収の目安は、両親・本人・中学生の4人世帯を想定した例

 

※生活保護世帯で自宅から通学する人および児童養護施設等から通学する人は、カッコ内の金額となります
[図表5]給付型奨学金の上限額(月額)(住民税非課税世帯〈第Ⅰ区分〉の場合) ※生活保護世帯で自宅から通学する人および児童養護施設等から通学する人は、カッコ内の金額となります

 

「高校教員向け『進学マネー・ハンドブック』」(日本学生支援機構)より
[図表6]授業料・入学金の減免上限額(昼間制・年額)(住民税非課税世帯〈第Ⅰ区分〉の場合) 「高校教員向け『進学マネー・ハンドブック』」(日本学生支援機構)より

 

高校3年生で予約採用を申し込むのが鉄則ですが、大学入学後の申し込みも可能。失業などで家計が急変した際も対象となります。

 

奨学金制度は、各大学、地方自治体、財団などにもあります。それぞれに対象となる学生や内容、募集時期が異なります。受験前はもちろん、在籍中も、応募できる給付の奨学金を探して申請しましょう。中には倍率が高いものも。情報収集は日本学生支援機構や各大学のサイトで。

 

◆地方自治体の返還支援制度

貸与の奨学金は、就職後に子どもが自分で返すことになりますが、これを支援してくれる制度があります。地方創生の一環として、奨学金を抱える学生が、対象となる地域に住み、対象となる事業所に就職すると、返済を支援(肩代わりなど)してくれます。就職活動の際には検討も。条件は、制度を実施する自治体のサイトで確認を。