教育ローンの種類と特徴
◆国の教育ローンは世帯年収に上限
奨学金が入学後にしか振り込まれないのに対して、入学前に借りられるのが教育ローンです。
教育ローンは次のようなケースで利用します。
【教育ローンを活用するケース】
・入学のための納付金が準備できないとき
・収入基準を超えていて、奨学金が使えないとき
ただし、国の教育ローン(日本政策金融公庫の教育一般貸付)には世帯年収に上限があります([図表7]参照)。
国の教育ローンは、中学卒業以上の子どもの教育資金を、1人につき350万円まで借りられます。在学中は利息のみの返済も可能。学費以外にもアパートの敷金など幅広く使えます。保証人を立てるか、保証料を払って機関保証を利用します。
◆金利や上限額はそれぞれ 民間の教育ローン
銀行や信用金庫など民間の金融機関が提供する教育ローンもあります。
国の教育ローンとの違いは、収入の上限がないこと、借入可能額も大きく、金融機関により1,000万円までなど。ただし、返済能力に関する審査があります。申込みから融資実行までの期間は短めです。
金利は金融機関ごとに違い、金利の水準は、国の教育ローンよりも高めの金融機関が多いようです。変動金利と固定金利があり、変動金利は借入後に金利が上がると利子が増え、総返済額も増えるので注意を。
教育ローンは奨学金と併用できるので、子どもは奨学金、親は教育ローンを借りることも可能ですが、親子で借金を抱えることに。借りずに済むなら借りない方が家計は健全です。家計を見直した上で、どうしても足りない分だけにしましょう。
坂本 綾子
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定CFP
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
※イラスト作成:松岡 未来(ヤング荘)(『子どもにかかるお金の超基本』本文より)