普段からチャートにテクニカル指標を組み入れているFXトレーダーは多いでしょう。しかしそのなかには、テクニカル指標を使いこなして儲けるトレーダーと、使いこなせず損するトレーダーの2者にわかれます。いったいなぜ彼らの明暗はわかれるのでしょうか? 株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏が解説していきます。
FXで「テクニカル指標」を“使いこなして儲ける人”と“使いこなせず損する人”の決定的な差【プロトレーダーが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

トレード回数を増やすよりも、一度のトレードの勝率を上げる

FX初心者とプロトレーダーの比較からわかるように、FXはトレード回数を増やせばその分利益が大きくなるわけではありません。重要なのはトレード回数ではなく、一度のトレードをどれほどの勝率で行っているかどうかです。一度のトレードの勝率が10%のトレードを10回行うより、一度のトレードの勝率が60%のトレードを5回行うほうが期待値は高くなります。

 

トレード回数を増やすことを検討するのはトレードの勝率を上げてからでも遅くありません。トレードの勝率を上げる前にトレード回数を増やしてしまうトレーダーが非常に多く、トレード成績がなかなか上がらないゆえにFXは難しいといわれてしまいます。

 

もちろん、FXは様々な経済要因が絡み合っていて、予想が立てにくい投資商品です。その上、レバレッジをかけて投資しているので心理的にも負担がかかります。しかし、実際には勝率が上がる前にトレード回数を増やしてしまうなど、セオリーを無視した行動を無意識的に取っていることがあります。この無意識的に行ってしまう行動がFXを難しくさせています。なかなかFXで安定した利益を得ることができないトレーダーは、今一度自分のトレードを振り返ってみると新たな発見があるかもしれません。

 

複合的なテクニカル分析でトレードの勝率をあげる

今回は、テクニカル分析を組み合わせて行うことで普段のトレードの勝率が上がるという解説をしました。初心者トレーダーであればあるほど、ついついトレード回数を多くすれば稼げる金額も大きくなると勘違いしがちです。トレードで安定した結果を出すためには、トレード回数よりも、勝率の高さのほうが大切です。

 

同じテクニカル分析でも、初心者トレーダーとプロトレーダーではエントリーする条件が大きく異なっています。

 

プロトレーダーのように、エントリーするポイントを限りなく少なくすると、時には1週間取引しないこともあるでしょう。しかし、安定した利益を出すためには、石橋を叩きすぎるくらい慎重なエントリーが欠かせません。

 

なかなか結果が出せていない人にとってエントリーしないことは非常に苦痛かもしれませんが、複合的なテクニカル分析に慣れていくことはプロトレーダーに近づくことです。プロトレーダーを目指していく人であれば、普段使っているテクニカル指標以外のテクニカル分析を組み合わせて、慎重なトレードに活かしていくとよいでしょう。

 

 

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント 執行役員