「老老介護」が増え続ける日本の実態
老老介護とは、65歳以上の高齢者を65歳以上の高齢者が介護している状態をいいます。総務省統計局から発表されたデータによると2022年9月現在の日本の高齢者人口は3,627万人であり、高齢者人口率は実に29.1%となっています。
団塊の世代の人がすべて75歳以上となる「2025年問題」までもうわずかですが、内閣府の「令和3年版高齢社会白書」によると、75歳以上で要支援の認定を受けた人は8.8%、要介護の認定を受けた人は23.0%となっており、75歳を超えると要介護の認定を受ける人の割合が大きく上昇することがわかります。
要介護または要支援の認定を受けた人の数は、平成21年度末では469.6万人だったのが、平成30年度末で645.3万人となっており、わずか9年の間あいだに約175万人(1.37倍超)も増加しています。
介護にはお金もかかります。介護が必要になった場合の介護費用については集計の結果、
・年金等の収入でまかなう 63.7%
・貯蓄でまかなう 20.5%
・資産を売却するなどして自分でまかなう 4.0%
・子などの家族・親戚からの経済的な援助を受けることになると思う 3.2%
・特に考えていない 8.1%
という認識であることがわかりました。しかしながら、すでに年金だけでは生活も成り立たなくなっている時代に突入していますから、介護費用を年金だけでまかなっていくのはかなり難しい問題です。
なお、お金があっても介護サービスを有効に使おうとせず、家庭内での介護をする家族もあります。今後も介護状態になる人、介護する人は増えていきますが、介護者の性別については全体の7割弱が女性で、女性の負担が大きいことがわかります。そんなご家庭の例をご紹介します。