幼児期は人間の脳が最も発達しやすい時期であり、その期間にしっかりとした基礎を築くことが、将来的な学習において重要な役割を果たします。一方、幼児期の教育には注意点もあると、東京西徳洲会病院小児医療センターの秋谷進医師はいいます。詳しくみていきましょう。
重要には違いない、しかし…「幼児教育」と「早期教育」のメリット・デメリット【医師が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

医学的にも、幼児教育は非常によい影響が多い

幼稚園までにしっかり教育を行うのは意義があるのでしょうか? さまざまな論文から、幼児教育の有用性が指摘されています。

 

たとえば、2017年のハーバード大学の研究によると、1960年から2016年の間に実施された22の質の高い研究を分析し、幼児教育を行うことで、

 

●成績が8.1%ほど維持しやすい傾向にある

●アメリカの高校の卒業率が11.4%上昇する

 

ということが報告されています。

 

しかし、実はこれらの背景として考えられているのは「先取り教育をしたほうが脳が開発されるから」ということだけではありません。

 

幼児教育で小さい頃から色々経験させてあげることで

 

●自分のなかの世界が広がり、さまざまなことに興味や熱意が持ちやすい

●多くのことに関わりをもつことで、社会的なコミュニティが広がり、多くの視点も持てるようになる。

 

といった、「テストの成績」で測れない部分の能力をもたせることができます。