葬儀まではバタバタ…6割以上が“送り方”に後悔
当社が2017年に行った調査※1によると、葬儀が終わったあと、6割以上の方が「きちんと葬儀で偲ぶことができなかった」と感じていることがわかりました。
大切な人を亡くしてから葬儀までの日々は、すぐにさまざまな取り決めや手続きを行う必要があるため、慌ただしく過ぎていきます。葬儀当日も、「滞りなく葬儀ができるように」と気が落ち着く暇なくお別れしたという方がほとんどです。また、グリーフ状態*で記憶が曖昧になってしまっていることも少なくありません。
* グリーフ状態……喪失体験によって湧き上がってきた感情や考えを、思いのままに表に出せず、心にフタをして抑え込んでしまった状態のこと(https://www.griefsupport.or.jp/grief)。
こうした事情から、葬儀のあとに改めて「お別れ会」を開催される方が増えています。
規模感もスタイルもさまざま…最新の「お別れ会」事情
お別れ会のスタイルは多様で、思い思いの偲び方ができます。親族だけでなく、上司や友人など、お世話になった方へ感謝の気持ちを伝えるためにお別れ会を開催するケースも少なくありません。
では、株式会社鎌倉新書が2020年に行った「お別れ会・偲ぶ会に関する調査※2」をもとに、最新のお別れ会の傾向についてみていきましょう。
「お別れ会は著名人がやるもの」と思っている方も多いかもしれませんが、最近では一般の方でもお別れ会を開催される方が増えています。
主催者は「家族」が最多
[図表1]をみると、開催されたお別れ会のうち42%が家族主催であることがわかります。主催した理由については、「家族葬を行ったため葬儀では友人・知人を呼べなかった」「生前の故人の希望だった」「友人・知人からの希望により開催した」といったものが多いです。
故人が生前にお世話になっていた方々を葬儀に呼ぶことができず、改めて感謝の気持ちを伝えるためにお別れ会を開く方が多いようです。家族葬が主流になっている昨今、同じような思いを抱えている方は多いのではないでしょうか。葬儀後に改めて故人を偲び、想いを伝えることができる「お別れ会」は、いまの社会に適したスタイルなのかもしれません。
家族主催の次に多かったのは企業主催です(38%)。新型コロナウイルスが流行し、「3密」を避ける必要があったことから、社葬を諦めた企業がたくさんいました。たとえ企業の社長であっても、小規模な家族葬を余儀なくされたケースが少なくありません。
したがって、コロナが落ち着いたいま、改めて社員や同僚が参加できるパーティースタイルでお別れ会を行うという事例も増えています。従来であれば、お別れ会といえば取引先を招いて行うイメージがありましたが、最近では企業主体であっても故人らしさを大切に、自由度の高いものへと変化してきています。
そのほかにも、学校や団体、友人が主催者となってお別れ会を行うケースもあります。このような生前に繋がりの深かった第三者主催のお別れ会に、「参加者」としてご遺族が行かれることもあるようです。