(※写真はイメージです/PIXTA)

故人をお葬式で弔ったあとに、お別れ会を開催する人が増えています。そもそもお葬式とお別れ会はなにが違うのでしょうか? 株式会社ハウスボートクラブの代表取締役社長・赤羽真聡氏がお別れ会のメリット・デメリットとともに、開催の予備知識について解説します。

目的が違う「お別れ会・偲ぶ会」と「お葬式」

お別れ会や偲ぶ会はその名のとおり、故人を偲ぶことを目的とした場です。故人の生きた軌跡をたどったり、故人との思い出を紹介しあったりします。平服での出席を指定されるケースも多く、堅苦しい儀式ではありません。

 

それに対して、お葬式は正式な儀式であり、ご遺体もあるため規則も細かく決まっています。出席するにあたり知っておくべき慣習も多いです。故人を弔うために行うものであり、多くの場合は宗教や宗派の影響が色濃く現れています。

 

リラックスした雰囲気であるお別れ会や偲ぶ会に対して、お葬式は厳粛な雰囲気で淡々と進行するのが一般的です。お葬式では落ち着いて語り合うのが難しいので、後日あらためてお別れ会や偲ぶ会を開くこともよくあります。

 

 

お別れ会はいつ開けばいい?

お別れ会や偲ぶ会を開くタイミングに決まりはなく、葬式のあとであればいつでも構いません。特に強い希望がない場合は、四十九日や一周忌、誕生日など節目の時期を選ぶとよいでしょう。親族や友人のあいだで故人のことが話題によくあがる時期なので、開催のタイミングとしては適しているといえます。

 

お別れ会は、開催日程に関する厳密なルールはありません。前述のとおり、儀式的で昔から続く慣習の影響を強く受けている葬儀とは異なり、お別れ会は比較的自由な形で執り行うことができるからです。参列者の都合に合わせて開催日の調整が行われることもあります。

 

ただお別れ会には決まった形式がないだけに、主催者側が企画し準備するための期間をある程度確保する必要があります。そのため、葬儀を執り行ったあとに少し時間を空けて、お墓への納骨が行われる四十九日法要が終わるまでに開催できるよう準備を進めるのが一般的です。

 

なお、開こうとしたときに業者や会場の予約が取れない可能性もあります。そのため、事前に混み具合などを調べて、余裕を持ってタイミングをうかがうことも重要です。

家族以外が主催することもある、お別れ会

お別れ会の主催者となるのは、葬儀の喪主、喪主以外の親族、あるいは故人の友人や会社の同僚、趣味仲間などいろいろなパターンがあります。

 

お別れ会は、葬儀に参加できなかった方のために、改めてお別れの場を提供することを目的としています。そのため割合としては、葬儀に参加していない関係者が集まって発起人会を結成し、その上で企画を練って開催に至るというケースが多いようです。

 

お別れ会にかかる費用は主催者側が負担する場合もあれば、会費制や香典でまかなう場合など、お別れ会ごとに違っています。

 

 

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