コロナ禍で追い風…葬儀の主流は「一般葬」から「家族葬」へ
葬儀のスタイルといえば、長年親族や知人・友人、職場関係者などが参列する「一般葬」が主流でした。しかし、少子高齢化や核家族世帯の増加が進むなかで、「故人の友人も高齢のため参加できない」「親族以外に参列できる人がいない」といったケースが増えました。
そこで、1995年以降に誕生したのが、「家族葬」です。通夜・葬儀・告別式の参列者は基本的に親族のみ(場合によっては少数の友人・知人を含む場合もある)というスタイルで、時代のニーズに合った家族葬は、やがて一般的に認知されるようになりました。
このように、葬儀の規模は少しずつ縮小傾向にあり、家族葬を行う方の割合は年々上昇していたものの、追い風となったのはコロナ禍です。「3密(密閉空間・密集場所・密接場面)」を避ける必要があったことから、多くの人が家族葬を選択するようになりました。
株式会社鎌倉新書が行った調査※1によると、2020年には40.9%だった家族葬は2022年に55.7%に増加。家族葬が一般葬を上回るようになりました。
「一日葬」の割合も増加
コロナ禍で増加したのは、家族葬だけではありません。通夜を省略し、納棺・告別式・火葬を1日で行う「一日葬」もコロナ禍をきっかけに増加しました。時間が短縮でき、こちらも参列者は基本的に親族のみとなるため、家族葬と同様に3密を避ける手段として選ばれたようです。先述の調査によると、2020年には5.2%だったものが、2022年は6.9%に増加しています。
葬儀費用も過去最少に
家族葬や一日葬の増加により、葬儀費用も過去最少となっています。
葬儀にかかる総額※は、2020年に184.3万円だったものが2022年は110.7万円となり、73.6万円下落しました。葬儀費用は一般的に、葬儀の規模が大きいほど高額になり、小さいほど安価になります。規模の大きい一般葬が減少し、家族・親族が中心の家族葬が過半数を超えたことで、価格が安く抑えられるようになりました。
※ 基本料金・飲食・返礼品の合計