月収72万円の50歳・ゼネコン社員「ねんきん定期便」見て早期退職検討も…このまま辞めると“破産の危機”をむかえるワケ【FPの助言】

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月収72万円の50歳・ゼネコン社員「ねんきん定期便」見て早期退職検討も…このまま辞めると“破産の危機”をむかえるワケ【FPの助言】
(※画像はイメージです/PIXTA)

宮内さん(仮名)は、長年ハードワークをこなす50歳の会社員です。ある日、自宅に届いた「ねんきん定期便」を見て、「これなら早期リタイアできるかもしれない」と考えました。しかし、そこには“大きな勘違い”があると、株式会社アセット・アドバンテージ代表取締役の山中伸枝ファイナンシャルプランナーはいいます。宮内さんの事例をもとに、ねんきん定期便から「自分が本当にもらえる年金額」を知る方法を見ていきましょう。

ねんきん定期便に安心した宮内さんの「2つの誤解」

しかし、宮内さんは2つのポイントで誤解しています。まず、ねんきん定期便に記載されている年金額の「意味」です。

 

「年金額」が示す意味

50歳未満の方に発行されるねんきん定期便の年金額は“現時点”での年金額を反映したものですが、50歳以上の方に発行されるねんきん定期便の年金額は“将来分も含めた”年金額が示されています。つまり、宮内さんが今後60歳まで今の条件で働き、保険料を納めたものと仮定して計算されているのです。

 

その条件というのが、前述の標準報酬月額「65万円」です。老齢厚生年金は、「平均標準報酬額×5.481/1,000×厚生年金加入月数」で計算されます。平均標準報酬額とは、厚生年金加入期間における標準報酬月額の総額と標準賞与額をその期間で割ったものです。ざっくり考えると、「平均年収を12で割ったもの」と思っていただいて大丈夫です。

 

50歳の誕生月に宮内さんのもとに届いたねんきん定期便は、「今後60歳まで10年間、ずっと標準報酬月額65万円で働いた」として計算された約43万円の年金額が含まれているという意味になります。

 

したがって、仮に宮内さんが50歳で早期リタイアをした場合、受け取れる老齢厚生年金額は[図表2]に記されている123万円ではなく約80万円となります。

 

また、老齢基礎年金は国民年金を財源とした年金ですから、60歳までは保険料の支払いが義務となっています。20歳から60歳までの40年間に未納がなければ老齢基礎年金は満額で約80万円となるはずですが、宮内さんは学生のときに「学生納付特例」を利用しており、その後も保険料の追納をしていません。

 

そのため、今後60歳まで保険料の支払いを続けたとしても30ヵ月分満額より少なくなります。[図表2]で宮内さんの老齢基礎年金が74.5万円と記載されているのはそのためです。

 

つまり、宮内さんはねんきん定期便を見て「今、会社を辞めても197.5万円年金を受け取れる」と思い込んでいましたが、実際に受け取れる年金額は43万円少ない154.5万円ほどになると考えられます。

 

宮内さんは、「43万円も少ないとなると、少し心細いですね」と表情を曇らせました。

 

記載された見込額は「変動する」

宮内さんの誤解は、もうひとつあります。ねんきん定期便に記載されている「見込額」は、経済状況により変動するということです。

 

年金額は、毎年の賃金上昇率や物価上昇率を踏まえて定められています。また、少子高齢化に負けない持続可能な制度にするため、「マクロ経済スライド」といって年金上昇を抑制する仕組みもあります。

 

つまり、「年金額は物価上昇に追いつかず、購買力は少しずつ減少するもの」と考えておくべきなのです。

 

また、年金生活になっても健康保険料や介護保険料は発生しますし、税金も支払います。年金額のおよそ10%がそれらの支出に充てられると想定しておいたほうが無難です。

 

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本記事は、株式会社クレディセゾンが運営する『セゾンのくらし大研究』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。