「クリエイターエコノミー」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。本連載では、米国・人材系ビジネスの最前線企業「LinkedIn」の日本代表を務めた経験もある村上臣氏の著書『稼ぎ方2.0「やりたいこと」×「経済的自立」が両立できる時代』から一部を抜粋し、日本にも到来しつつある新時代の稼ぎ方について解説します。
個人の表現をお金に換える「クリエイターエコノミー」とは? (※写真はイメージです/PIXTA)

欧米で「クリエイターエコノミー」への転換が進んでいるワケ

欧米でギグ・エコノミーからクリエイターエコノミーへの転換が進んでいるのは、個人の「好き」と収益のバランスが取りやすいからではないかと思います。

 

ギグ・エコノミーは自分の意思を介入させる余地が少ないですし、プラットフォーム側の意向に従って働く必要があります。

 

例えば、Uber Eatsでは、配達員の動向はリアルタイムで管理されており、効率の良し悪しでランク付けも行なわれています。

 

しかし、クリエイターエコノミーではそこまでプラットフォームに縛られることはありません。

 

最近は企業に所属していた個人がクリエイターとして独立するケースが少しずつ目立ち始めています。

 

例えば、企業で公式Twitterの「中の人」をしていた社員が、独立してSNSマーケティングの会社を運営するような事例があります。これも表現活動が個人中心にシフトしていることの表れではないかと思います。

 

日本では、BASE株式会社、note株式会社、UUUM株式会社などが参加するクリエイターエコノミー協会が2021年に設立されています。同協会が目的としているのはクリエイターが活動しやすい環境の整備です。

 

海外の潮流やこうした動向を見るにつけ、日本でも「1億総クリエイター」になる時代が間近に迫っているのを強く感じます。

 

 

村上 臣

武蔵野大学アントレプレナーシップ学部

客員教員