サラリーマンといっても給与事情は人それぞれ。たとえば「大卒で正社員」という立場は一緒でも、驚くほど高給だったり、逆に驚くほど薄給だったり。そんなサラリーマンの頂点と底辺を比較すると、どれほどの差があるのでしょうか。みていきましょう。
平均月収41万円だが…50代・負け組サラリーマン「勝ち組サラリーマン」との格差に2度絶望「正社員でも老後は生活保護費以下」 (※写真はイメージです/PIXTA)

正社員の平均給与は50代で月41万円…底辺と頂点の給与差は生涯で2億円にも

家計が黒字に転じる50代。前出のとおり、会社員(正社員)であれば給与もピークに達する年齢です。サラリーマンであれば、20代前半で月22.0万円、年収340万円だったのが、ピークとなる50代後半では月収で41.6万円、年収で674万円。

 

もちろん、これは平均値。給与の分布でみてみると、50代後半、上位10%であれば、月収66.4万円。一方で下位10%だと23.4万円。大卒の初任給とほとんど変わりません。

 

【年齢別:サラリーマン「下位10%」と「上位10%」の月収】

20~24歳:18.0万円/26.8万円

25~29歳:20.0万円/33.2万円

30~34歳:21.2万円/40.2万円

35~39歳:22.3万円/48.4万円

40~44歳:23.3万円/53.7万円

45~49歳:23.8万円/58.3万円

50~54歳:24.0万円/64.0万円

55~59歳:23.4万円/66.4万円

 

出所:厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』より

※数値左:正社員の月収下位10%、右:正社員の月収上位10%

 

「ずっと底辺をいくサラリーマン」と「ずっと頂点を極め続けたサラリーマン」。生涯年収の差は2億円近くにもなります。給与格差は、そのまま年金格差に。仮に20歳から60歳まで正社員として働いた“負け組”と“勝ち組”がいたとしたら、厚生年金部分はそれぞれ7.3万円、17.1万円。現役時代の給与差ほどではないとはいえ、月に約10万円、1年で120万円、20年で2,400万円もの差になります。

 

――俺だって、正社員で頑張ってきたはずだよな……

 

プライドはズタズタ、思わず絶望してしまうほどの格差です。

 

正社員でも給与・下位10%だと、年金額は手取りたったの11万円程度に

正社員とはいえ底辺のサラリーマンの場合、年齢を重ねても大卒初任給と同じ給与水準。生活は常にカツカツで、貯蓄もままならず……前出の「貯蓄がない」と回答した2割のなかには、このようなサラリーマンも多いのではないでしょうか。

 

国民年金と合わせても、月13万〜14万円。手取りは85〜90%となるので、実際に手にするのは、11万~12.5万円ほどになるでしょう。これが老後の生活費となります。

 

ちなみに生活保護の基準となる最低生活費は、東京23区・65~69歳のひとり暮らしで13万0,580円。それをも下回る年金額というわけです。もし貯蓄もなく、生活が苦しい……というならば、「最低生活費-年金の手取り額」分の生活保護費が認められる可能性は十分にあります。

 

正社員であっても給与は天と地ほどの差があり、格差はそのまま年金差にもなります。現役時代、下位10%であり続けたら「老後は生活保護の水準以下」というのが現実です。