子もなく、キャリアもなく…子のいない妻の不安
同じように、この年代の女性には「非正規社員としてのキャリアしかない」というケースも多く、大きな不安を抱えています。
――夫に何かあったら、どうやって生きていけばいいのか
SNSでそんな不安を吐露するのは、49歳の女性。3歳年上の夫とは結婚20年ほど。子どもはいないそう。大学を卒業したものの就職活動に失敗。これまでパート・アルバイトの経験しかないといいます。結婚以来、夫の収入に全面的に頼る生活をしてきたので、夫に万が一のことがあった場合に「就職してひとりで生きていく」というイメージが描けないといいます。
一家の大黒柱が亡くなったとき、残された遺族が困窮しないよう「遺族年金」が支給されます。遺族年金には、大きく、国民年金に由来する「遺族基礎年金」と厚生年金に由来する「遺族厚生年金」があります。
しかし遺族基礎年金は18歳未満、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子どもを支えることを目的としていて、受給対象者は子どものいる配偶者か子ども。つまり子どものいない夫婦の場合は対象にはなりません。
遺族厚生年金は、以下①~⑥で最も優先順位の高い人が受け取ることができます。子どものいない夫婦で会社員だったパートナーを亡くしたとき、遺族年金受給の対象となります。
【優先順位“高”】
・子のいる妻
・子(18歳になった年度の3月31日までにある子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子)
・子のいる55歳以上の夫(受給開始は60歳。ただし遺族基礎年金をあわせて受給できる場合に限り、55歳から60歳の間であっても受給できる)
【優先順位“中”①】
・子のない妻(子のない30歳未満の妻は、5年間のみ受給)
・子のない55歳以上の夫
【優先順位“中”②】
・55歳以上の父母(受給開始は60歳から)
【優先順位“中”③】
孫(18歳になった年度の3月31日までにある孫、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある孫)
【優先順位“低”】
55歳以上の祖父母(受給開始は60歳から)
※子のいる妻または子のいる55歳以上の夫が遺族厚生年金を受け取っている間は、子には遺族厚生年金は支給されない