晩婚化などを理由に「子どものいない夫婦」が増加傾向にあります。子どもがいない場合、たとえば老後において介護が必要になったらどうするか、などの不安がありますが、早くにパートナーを失くした時にその後の生活はどうなるのか、という不安もあるでしょう。万が一のときに手にできる「お金の話」みていきましょう。
「子のない夫婦」を襲う悲劇…52歳・大卒夫の死後、49歳・キャリアなしの妻が手にする「唖然の遺族年金額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

遺族厚生年金の年金額は、死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額となります。また報酬比例部分の計算において、厚生年金の被保険者期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。仮に前出の女性の夫に、万が一のことが起きた場合を考えてみましょう。夫は大学卒業以来、平均的な給与を手にしてきたサラリーマンだと仮定します。

 

存命期間中の平均標準報酬額は41万円となり、この段階で65歳から受け取れる厚生年金は月7万1,910円。つまり妻が遺族厚生年金として受け取れるのは5.4万円ほどだと考えられます。「たったこれしかもらえないんだ……」と、目の前が真っ暗になるような金額でしょうか。

 

夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子がいない場合、40歳から65歳になるまでの間、59万6,300円、月5万円ほどの「中高齢寡婦加算」がもらえます。それでも月10万円ほど。これで安心して暮らしていくのは少々難しい話。保険や貯蓄などで十分な備えがあるなら話は別ですが、「どうやって生きていけばいいのか……」と泣き言をいっても仕方がありません。自身が働く以外は方法がないと考えておいたほうがいいでしょう。