なんだかんだいって、持ち家志向の強い日本人。平均5,000万円程度で戸建てのマイホームを実現しています。ただし、それで終わりかといえばそういうわけにはいかず……みていきましょう。
40歳サラリーマン、5,000万円でマイホーム実現!頑張って「65歳でローン完済」の先に待ち受ける「最悪の結末」 (※写真はイメージです/PIXTA)

ローン完済で終わりじゃない…さらに大きな出費の覚悟を

4,000万円ほどの住宅ローンをなんとか65歳で完済。ローンを抱えているときは、「どこか自分の家であっても自分の家でないような……」、そんな思いを抱くこともあったかもしれません。

 

――やっと終わった!

――住宅ローン地獄から解放だ!

 

そんな歓喜の声をあげても、家は一度建ててしまえば終わりとはいきません。新築から15年ほど経てば、屋根や外壁の修繕を必要とします。家の規模にもよりますが、100万~150万円ほどの出費となるでしょうか。単純に考えて、ローン完済まで、1度、または2度ほど、メンテナンスのための出費を覚悟しなければならず、新たにローンを組んで対応、というケースも珍しくありません。

 

さらに「終の棲家」として考えるのであれば、バリアフリー化など高齢者の暮らしに対応するリフォームも考えておきたいところ。前出の国土交通省の調査によると、リフォームのうち「家族や自分の老後に備えるため」のものが10.0%。その内容で最も多いのが「高齢者等に配慮し段差をとるなど」で39.6%。「住宅の構造に関する改善・変更」21.4%、「壁の位置を変更するなど間取りの変更」18.4%と続きます。

 

またリフォームを行った世帯に「リフォーム後の高齢者対応設備の有無」を尋ねると、「手すりがある」は26.1%、「段差のない室内」は13.6%、「車いすで通行可能な廊下等」は8.1%、「浴室・トイレの暖房」が17.3%。また「すべてを満たす」が2.8%。問題は、どれほどお金がかかるか、ですが、どれほど大がかりなリフォームになるかによって、数万円から1,000万円以上とピンキリ。

 

ある工務店の概算見積りをみていくと、寝室近くのトイレを高齢者対応にするリフォームで約100万円、浴室を高齢者対応にするリフォームで約200万円、家の内・外の段差解消で約100万円……中心価格帯は300万円程度だといいます。

 

ローンの返済期間を短縮しようと頑張って完済した人のなかには、資金的に余裕もなく、「お金なんてないし、家なんて住むことができればいい」と考える人もいるでしょう。しかし高齢者の安全をないがしろにした家では、思わぬ事態に巻き込まれることも。

 

厚生労働省『2019年 国民生活基礎調査』によると、介護が必要となった主な原因の第3位が骨折・転倒で12.0%。また厚生労働省『令和3年 人口動態調査』によると、「転倒・転落・墜落」で亡くなったのが、65~79歳で1,674人、80歳以上で7,835人。そして「同一平面上での転倒」が80歳以上で7,835人、「階段やステップからの転落・転倒」が7,095人。

 

また2015年からの5年間、東京消防庁管内で搬送された高齢者のうちでは「ころぶ」が圧倒的に多く、27万3,491人とおよそ8割。また発生場所として最も多いのが「居室・寝室」で2万2,902人、「玄関・勝手口」が3,187人、「廊下などの通路」が2,342人と続きます。

 

事故で我が家での暮らしが強制終了……「家なんて住むことができればいい」の先には、そんな未来が待っているかもしれないのです。