月収18万円の母子…生活保護を申請したらどうなる?
生活困窮者へのセーフティネットとして生活保護がありますが、前出のシングルマザーの場合はどうでしょうか。
東京都23区の母子世帯(0〜2歳未満の子1人)の最低生活費は15万6,210円(生活扶助基準額:7万3,520円、母子加算:1万8,800円、児童養育加算:1万0,190円、住宅扶助基準額:5万3,700円)。
一方で、シングルマザーの月収は18万円、手取りにすると14万5,000円程度。一見すると最低生活費を下回りますが、生活保護の受給には、資産の活用や後述する児童手当などの活用状況なども加味されます。それらをプラスしても最低生活費を下回れば、その差額分の生活保護が認められます。今回の場合は、最低生活費を上回る可能性が高いことから、生活保護の受給は難しいと考えられるでしょう。
シングルマザーを支える支援策、5選
では、シングルマザーが頼ることのできる手当等、代表的なものをみていきましょう。
①児童手当
母子(父子)家庭の子ども(0歳〜15歳、中学を卒業する年度末までで国内に住所がある子ども)に国から支給される手当。3歳未満の子どもには一律月1万5,000円が支給されます。所得制限があり、年間の所得が約960万円を越える世帯の支給額は5,000円です。
②児童扶養手当
母子(父子)家庭の、0歳〜18歳に到達して最初の3月31日までの子どもが対象。所得や扶養家族によって、支給区分は「全額支給」「一部支給」「不支給」の3区分に分かれ、全額支給の場合、子どもが1人であれば月4万3,160円が支給されます。
③母子家庭の住宅手当
市区町村独自の支援で、実施していない自治体もあります。月5,000~1万円程度の支給というケースが多いようです。
④医療費支援制度
母子(父子)家庭で、0歳~18歳に到達して最初の3月31日までの子どもを対象に、保険医療費の自己負担額の一部を市区町村が助成。内容は自治体によって異なります。
⑤児童育成手当
18歳までの子どもを扶養する母子家庭が対象で、子ども1人につき月1万3,500円を支給。保護者の前年の所得が限度額以上の場合は支給されません。
詳しい条件等は、厚生労働省や市区町村のホームページなどをチェック。また手当や助成金のほかにも、「寡婦控除」をはじめとした減免や割引の制度もあります。すべての支援、サービスを受けられるわけではありませんが、条件に当てはまれば、生活は少しでも楽になることは確かです。一度、自治体等の窓口に相談しにいくといいでしょう。