株式投資で銘柄を選ぶ際、その会社の「社長」に注目し、経歴や過去の発言などを投資判断の参考にする投資家は少なくありません。そのようななか、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏は「経営者の発言は話半分で聞くべき」と警告します。それはなぜか、詳しくみていきましょう。
投資のプロが「メディアでもっともらしい発言をする経営者は要注意」と警告するワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

メディアを通じてただ目立っているだけの経営者もいる

また、メディアへの露出が多く目立っていて、もっともらしいことを言う経営者もいますが、そういう人の発言にもまた注意が必要だといえます。

 

そういう人は、実はただ目立っているだけで、経営者としての力もその事業の実績もまるで優れてはいない、というケースがあります。上場したばかりの赤字会社の経営者が、壮大な自社の未来を語っていることもあります。

 

しかし、上場企業には「決算書」というわかりやすい成績表があります。

 

ですから投資判断をする際には、経営者の発言よりもまずはそちらをチェックすることをおすすめします。経営者の話はやはり話半分に聞きましょう。言っていることより、やっていることで判断したほうが、投資も成功するのではないでしょうか。

事業が「馬」で経営者は「騎手」と考えるべき

そもそも、経営者の力のおよばないことというのも、多々あるものです。

 

ですから、競馬にたとえるなら、事業が「馬」で経営者は「騎手」、と考えるとよいのではないでしょうか。

 

騎手が優れていれば当然、レースに勝つ確率は高まります。しかしどんなに優秀な騎手でも、駄馬に乗れば勝率は下がるでしょう。

 

一方で、馬が優秀ならば、騎手が凡庸でも勝つ確率は高くなります。事業と経営者の関係もこのように捉え、そういう意味でも経営者の言うことは話半分で聞き、事業を冷静に評価することが必要ではないでしょうか。

 

投資家は、経営者が万能ではないことを理解して投資する

どんなに優秀な経営者でも、完全な未来予測などできません。

 

また経営者というのは、たとえ願望であろうと強がりであろうと、明るい未来を語らざるを得ない仕事であるともいえます。

 

メディアへの露出が多く目立っていて、もっともらしいことを言う経営者もいますが、そういう人の発言にもまた注意が必要です。投資判断をする際には、経営者の発言よりもまずは決算書の数字をチェックしましょう。

 

そして、事業が「馬」で経営者は「騎手」と考え、そういう意味でも経営者の言うことは話半分で聞き、事業を冷静に評価することが必要ではないでしょうか。

 

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合 一啓