老後の生活を支える公的年金。保険料の納付実績や給与・賞与から、将来、いくらくらいの年金を手にできるか、計算することができます。しかし「見込額とだいぶ違った……」というケースも。みていきましょう。
月収41万円・50歳のサラリーマン「年金月16万円」のはずが…65歳で愕然とする「年金減額」の悲劇 (※写真はイメージです/PIXTA)

⑤社会情勢の変化で年金の価値が目減り

①~④は年金制度によるもので、自身で調整できるものです。しかしどうにもならない事態により年金額となるケースも。

 

毎年改定されている年金額。物価や賃金の伸び率から「マクロ経済スライド」の調整率を差し引いたものが最終的な改定率となっています。2023年度の改定では67歳以下が+ 2.8%、68歳以上が+ 2.5%となりましたが、調整率の-0.6%が差し引かれた改定率になっています。つまり調整率の分だけ、年金額の価値は目減りしているといえるのです。

 

この調整は現行の年金制度を維持するためにも必要なものですが、少子高齢化が進むなか、年金の目減りは確実とされ、20年後には現在の2割程度の水準になるとされています。

 

現在、厚生年金受給者の平均年金額は月14万5,665円。単純計算、20年後には月11万6,000円ほどしか手にできないということ。さらに税金やら保険料なら天引きされたら、手取りは10万円を切ることになるでしょう。