【関連記事】
不動産投資が節税になる理由とは?年収別「節税できる額」の目安もシミュレーション
節税効果あり!相続したら覚えておくべき2つの特例とは
不動産を相続すると、税金や維持管理費用を支払う必要があります。しかし、不動産を所持し続けることに対して、メリットを感じていない人も多いのではないでしょうか。それなら、節税効果がありお得に不動産を売却できる2つの特例を把握しておきましょう。
1.相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」とは、国税庁が設けている所得税(譲渡所得)に対する節税策の特例です。
通常、短期間で不動産を売却すると「相続税」と「譲渡所得税」の支払いが必要となってしまいます。2重の支払いとなるため、売主に大きな負担がかかります。一方、この特例を利用すれば、一定金額を譲渡資産の所得費に加算できます。つまり、譲渡所得の税額を抑えることができるというわけです。
譲渡所得の計算方法を以下に整理しました。
・譲渡所得=土地の売却価格-(所得費+譲渡費用)
このうち、上で紹介した一定金額の加算は「所得費」に追加できます(参照:国税庁HP『No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例』)。
◆特例の要件
この特例を利用できるのは、次の要件に該当する人だけです。自分の条件に当てはまる特例なのか確認しておきましょう。
・相続や遺族によって財産を取得した人である
・相続税の課税対象者である
・相続開始から3年以内に譲渡している
ここでキモになるのが、「3年以内に譲渡を行う」ということです。不動産を相続したばかりの方や3年以内の方はぜひ特例を活用してみてください。
被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
前述した特例と同様に、相続した不動産を空き家・更地にして売却したいと考えている方もいるはずです。それなら、国税庁が設けているもう一つの特例「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」を活用しましょう。
この特例は、譲渡所得から最高3000万円の控除が受けられます。簡単な課税額の計算例を挙げると次のようなイメージです。
・譲渡所得5000万円の場合:5000万円-3000万円=課税額2000万円
・譲渡所得3000万円の場合:3000万円-3000万円=課税額0万円
◆特例の要件
ただし、条件が厳しく次の項目に該当することが前提です。
・昭和56年5月31日以前に建築された不動産に限る
・区分所有建物登記がされていない建物に限る
・相続する直前に被相続人以外で居住していない場合に限る
また、売却代金が1億円以下であることや、相続開始から3年目の年末までといった細かい条件が設けられています(参照:国税庁HP『No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例』)。