恐ろしい…ほとんどの医師が見逃す「睡眠時無呼吸症候群」の意外な影響【専門医が解説】

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恐ろしい…ほとんどの医師が見逃す「睡眠時無呼吸症候群」の意外な影響【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

潜在患者数はおよそ20人に1人(男性に限ってはおよそ11人に1人)といわれる「睡眠時無呼吸症候群」。家族や友人から「いびきがうるさい」と指摘されても、「いびきなんて誰でもかくものだ」と、気にしていない人も少なくありません。しかし「睡眠時無呼吸症候群」を放置した結果、命にも危険がおよぶ場合があると、東京ハートリズムクリニックの桑原大志院長はいいます。詳しくみていきましょう。

手術をしたのに倦怠感が残る…長年悩んでいたAさん

心房細動と睡眠時無呼吸症候群は相互に深い関連性を持つことから、「不整脈と睡眠時無呼吸症候群の両方を治療して、初めて症状が改善される」というケースもあります。症例を紹介しましょう。

 

<症例>

60歳の男性Aさん。約10年間、慢性心房細動に悩まされており、主症状は「日中の倦怠感が強い」「頭がぼーっとして仕事に集中できない」「動悸がする」「動くとすぐに息が切れる」といったものでした。

 

近くのクリニックで検査をしても、心房細動しか悪いところは見つかりません。診察では、「10年くらい心房細動が続いているから倦怠感が強く、だから頭がぼーっとするのでは」言われたそうです。しかし、どうにも日中の倦怠感が辛いため筆者のクリニックを受診され、心房細動の治療のため、カテーテルアブレーション手術を希望されました。

 

幸いにも手術は成功。脈の乱れは消え、正常の脈拍に戻り、動悸と息切れも著明に改善しました。しかし、患者さんが最も悩んでいた日中の倦怠感や頭がぼーっとする症状は、未だ一向に改善されません。別のクリニックに行くと、「慢性疲労症候群」の可能性を指摘されたそうです。

 

筆者は当初、肥満体型の人がなりやすい睡眠時無呼吸症候群に、この瘦せ型のAさんがかかっているとは考えませんでした。しかし、念のため検査を行ったところ、なんと重度の睡眠時無呼吸症候群であることが判明したのです。

 

早速、「CPAP(睡眠中に特殊なマスクを装着し、無呼吸になった際に呼吸器が作動して、空気を強制的に送り込む装置)」を導入したところ、たちどころに日中の倦怠感や頭がぼーっとする症状が解消。見違えるように元気になり、患者さんは非常に感激されていました。

 

https://gentosha-go.com/articles/-/41555?page=3&per_page=1
[図表3]CPAP装着中のイメージ https://gentosha-go.com/articles/-/41555?page=3&per_page=1

 

どの医師も長いあいだ睡眠時無呼吸症候群の可能性に気づくことができず、睡眠時の症状であるために本人すらいびきがひどいことや、夜間に低酸素状態に陥っていることに気づいていませんでした。

 

しかし、Aさんの場合、睡眠時無呼吸症候群と心房細動を合併していたため、カテーテルアブレーションだけではすべての症状を改善することができなかったのです。

 

このように、睡眠時無呼吸症候群の治療を行うことで他の症状が改善するケースは、意外と多いものです。不整脈の治療を行う際には、慎重さが求められます。

 

 

桑原 大志

東京ハートリズムクリニック

院長

 

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