魔女の一撃、地獄の激痛…「ぎっくり腰」「椎間板ヘルニア」を発症しやすい人の特徴【専門医が解説】

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魔女の一撃、地獄の激痛…「ぎっくり腰」「椎間板ヘルニア」を発症しやすい人の特徴【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

突然、強烈な腰痛に襲われるぎっくり腰と腰椎椎間板ヘルニア。どちらも急性腰痛を発症する疾患ですが、対処法が異なるため「見極めが肝心」だと、横浜町田関節脊椎病院の越宗幸一郎院長はいいます。特に腰椎椎間板ヘルニアは放置すると重篤な神経症状となってしまうことも……。今回は、越宗先生が自宅でできるセルフチェックの方法を伝授します。

「ぎっくり腰」と「ヘルニア」を見分ける方法

数日から1週間程度でおさまることの多いぎっくり腰と、長ければ数ヵ月にわたって痛みが続くこともあるヘルニア。いったい、どうやって見分ければいいのでしょうか?

 

もっとも確実なのは「MRI」

ぎっくり腰と椎間板ヘルニアを見分けるのに、もっとも確実な方法はMRIです。

 

レントゲンだけでヘルニアの部位を確認することはできないため、腰椎椎間板ヘルニアと確定診断をつけるにはMRIでus脊柱管や神経根がヘルニアに圧迫されているかどうかussを確認する検査が必要です。

 

一方、ぎっくり腰は筋肉や筋膜の炎症であるため、MRIなどの画像診断ではわかりません。身体所見で腰のどのあたりが痛いかを確認し、レントゲン撮影によって骨折などがないかを調べることで、他の疾患の可能性が否定されればぎっくり腰と診断されます。

 

2つの「セルフチェック」で自宅でも判別可能

腰椎椎間板ヘルニアの場合、簡単なテストで診断をつけることもできます。本来なら医師や理学療法士などの手を借りながら行うテストですが、簡易的に自分でも行うことができます。

 

(1)下肢伸展挙上テスト(Straight Leg Test:SLRテスト)

これは、腰椎の下部にある腰髄神経(L4、L5)、あるいは仙髄神経(S1、S2、S3)の障害を検査するためのテストです。以下の姿勢をとり、脚の上げた角度が30度~40度に達したあたりで臀部や裏太もも、ふくらはぎの背面などにピリピリとした強力な痛みが起これば「腰椎椎間板ヘルニア」の可能性があります。

 

【下肢伸展挙上テスト(SLRテスト)】

1.仰向けの状態で膝を伸ばす
2.片足を持ち上げていく

 

⇒角度が30度~40度に達したくらいで下肢の背面に痛みやしびれが起これば、「椎間板ヘルニア」の可能性

 

[図表2]下肢伸展挙上(SLR)テスト
[図表2]下肢伸展挙上(SLR)テスト

 

(2) 大腿神経伸長テスト(Femoral Nerve Stretching Test:FNSテスト)

これは、腰椎の上部にある腰髄神経(L2、L3、L4)の障害を検査するためのテストです。以下の姿勢をとり、太もも前面に痛みやしびれが出た場合には「腰椎椎間板ヘルニア」の可能性があり、L2、L3、L4などが障害を受けていることが疑われます。

 

【大腿神経伸長(FNS)テスト】

1.うつ伏せに寝た状態で臀部を固定し、膝を90度曲げる
2.その状態から脚を上げ、股関節を伸ばしていく

 

⇒太もも前側に痛みやしびれが出たら腰椎椎間板ヘルニアの可能性がある

 

[図表3]大腿神経伸長(FNS)テスト
[図表3]大腿神経伸長(FNS)テスト

 

ただし、これらのセルフチェックはあくまでも簡易的なものです。腰椎椎間板ヘルニアの可能性があり、なおかつ、痛みに加えて麻痺やしびれなどの神経症状が出ている場合には、早めに専門医の診察を受けることが大切です。

 

ぎっくり腰は自然に治癒しますが、腰椎椎間板ヘルニアは放置すると、神経麻痺などの重篤な障害をもたらすこともあります。もし、「急性腰痛が1週間経っても治らない」という場合は、早めに専門医の診察を受けることをおすすめします。

 

 

越宗 幸一郎

横浜町田関節脊椎病院

院長

 

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