アップルや楽天など、1つの企業が事業を拡充し顧客のさまざまなニーズに応える例は非常に多くみられます。顧客としては、その企業の「ファン」になってしまえば新たなサービスを探す必要がなく快適に思えますが、その快適さの裏には「リスク」があると、FP Office株式会社の中井康寛FPはいいます。本記事で詳しくみていきましょう。
アップルも楽天も…日本人が気づいていない、快適性を追求した「顧客囲い込み」がもたらす“リスク” (※写真はイメージです/PIXTA)

1つの企業でサービス拡充…「囲い込み」の裏にあるリスク

高級トイレさながら、囲い込まれた空間の付加価値はとても高く、現代版内向きの力はとても引力の強いものとなっています。そして、確固たるものにすべく企業も国もその力をさらに強大にしようと試みます。

 

いったんアップル製品を使い出すと、あまり乗り換えようとは思いませんし、楽天で買い物をしたついでに運用することはよくある光景となっています。いったん入った空間は、とても心地のいいものに設計されています。資源を安定して供給されていた欧州は、ある意味では心地よく経済の成長にだけ集中できていまの繁栄を実現したともいえます。

 

ところが「枕上」でも、いつかは温かい布団から出ないといけないタイミングが来てしまうように、安定はいつまでも続かないのがことわり。欧州は一転してロシアにはしごを外された形となりました。

 

快適さの裏にはリスクがある。その観点はライフプランにも当てはまります。いまの健康だと保険の必要性を感じなかったり、いま収入が十分だと、特段運用の有効性を感じなかったりしてしまうものです。

 

当たり前かもしれませんが、いま快適な環境は条件が揃ったうえで成立しているにすぎません。リスクマネジメントは、余裕があるときにこそ、立ち止まって考えて欲しいと思います。1人ひとり、求める快適空間が異なるように、1人ひとりの必要な保証や運用の金額・手法も異なります。まずはそれを導き出すことが私たちのスタートです。

 

もしも、なにから手をつけていいかわからない場合は、一緒になって考えていきますので、ぜひFPにご相談ください。

 

 

中井 康寛

FP Office株式会社

ファイナンシャル・プランナー