ヒザの「ポキッ」は要注意?…音の種類でわかる"隠れ疾患”【専門医が解説】

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ヒザの「ポキッ」は要注意?…音の種類でわかる"隠れ疾患”【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

屈んだり座ったりなど、ふとしたときにヒザや股関節が「ポキッ」と鳴ることはありませんか? 「そういえば、特定の動作をすると必ず音がする」という人もいるかもしれません。なんとなくそのままにしてしまいがちですが、「重大な疾患が隠れている場合がある」と、世田谷人工関節・脊椎クリニックの塗山正宏先生はいいます。詳しくみていきましょう。

「ゴリゴリ」、「ガリガリ」は関節からの“SOS”

膝関節や股関節を動かした際、「ポキッ」という高い破裂音であれば、それほど心配することはありませんが、もし、「ミシミシ」「ガリガリ」「ゴリゴリ」など、なにかがぶつかり合うような音が聞こえる場合は要注意です。

 

なぜなら、すでに骨の変形や変性が進んでいる可能性があるからです。一般的に、関節から異常な音が聞こえる場合、次のような疾患が疑われます。

 

1.変形性膝関節症

「変形性膝関節症」は、主に加齢を原因とし、関節のクッションとなる軟骨がすり減って、骨と骨がぶつかり合う病気です。

 

軟骨がすり減ることで骨と骨の隙間が狭くなり、内側の骨が露出して、骨のへりにトゲのような突起物ができたり、骨と骨がぶつかり合って骨の変形を招いたりします。骨と骨のぶつかり合いがひどく、症状が進行している場合には、少し足を動かすだけで「ガリガリ」「ゴリゴリ」と、こすれるような音がします。

 

2.滑膜性骨軟骨腫症(かつまくせいこつなんこつしゅしょう)

「滑膜」とは、関節包の内面を覆う薄い膜状の組織のことです。この滑膜の細胞が骨や軟骨を作る細胞に変化し、関節腔内の滑液中で軟骨が増大する疾患のことを「滑膜性骨軟骨腫(かつまくせいなんこつしゅ)」といいます。この骨軟骨腫は良性の腫瘍組織であり、粒状のものが関節周辺にたくさん作られます。

 

特に30〜40歳の男性に現れやすいといわれており、通常命に関わることはありませんが、腫瘍組織が増大するのにともない、痛みや腫れの原因となります。

 

3.弾発股(だんぱつこ)

「弾発股」とは、股関節の周りにある靭帯や腱が骨に引っかかり、音や痛みを出す症状のことをいいます。

 

股関節の内側から音がする場合と外側から音がする場合があり、内側から音がする場合は腰椎から大腿骨までをつなぐ「腸腰筋(ちょうようきん)」が大腿骨や骨盤に引っかかって起きます。

 

一方、外側から音がする場合は大腿骨の上方にある大転子(だいてんし)に、骨盤から脛の骨にかけて続く「腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)」が引っかかることで起きます。

 

[図表2]弾発股で音がするしくみ
[図表2]弾発股で音がするしくみ

 

「変形性膝関節症」の場合は、人工股関節への置換手術を行うケースも

これらの疾患が原因となって、関節の異音が生じている場合には、疾患に適した治療が必要です。弾発股はストレッチやマッサージ、筋力トレーニングなどでの治療が可能ですが、変形性股関節症や膝関節症の場合には、骨の変形を正すために手術を行うこともあります。また、滑膜性骨軟骨腫症の場合も手術で腫瘍を摘出します。

 

手術の場合には多額の費用が必要になることもあり、たとえば変形性膝関節症や変形性股関節症の治療として人工関節置換術を行えば、数十万円の費用がかかることもあります(ただし、高額医療制度を利用することで自己負担を軽減できます)。

 

ちょっとした動きで関節が鳴ることは、決して珍しいことではありません。しかし、症状によっては疾患が隠れていることもあり、完治するには手術が必要になることもあります。

 

少しでも症状が軽いうちに治療をするため、関節の違和感や異音には早めに気づき、痛みや腫れがあれば早めに診察を受けることをおすすめします。

 

 

塗山 正宏

世田谷人工関節・脊椎クリニック

 

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